夜中に、ニェネントが布団の上にあがってきて、わたしの胸の上で「踏み踏み」を始めた。重たいので目が覚めたが、重たいからといって邪険に追い払ったりしたら最低の飼い主だ。こうやって「踏み踏み」するというのは、もちろんわたしのことを「親」と思っているということでもあろう。好きなだけ「踏み踏み」させてあげよう。‥‥とはいえ、けっこう長いあいだやっていたな。そのうちにわたしもまた眠ってしまったけれども。
今日も外は雨だ。気温も低い。ニェネントは出窓から外を眺めているが、いったい何を思っているのだろうか。
昨日『文學界』の蓮實重彦の「ジョン・フォード論」を読み終えた。これは刺激的であまりに面白い。ストローヴ=ユイレのジョン・フォードへの興味から、当時のジョン・フォードの受容のされ方を「カイエ・デュ・シネマ」誌の編集姿勢とかからめながら紹介し、特に『アパッチ砦』の映像の意味を蓮實氏らしい筆致で解き明かす。ここに、「映画評論」というもののひとつの理想的なかたちがあるようにも思えた。
あまりに面白かったので、「これはちゃんとジョン・フォードを観なければ!」と、Amazonでバッタもんの10枚組DVD(よく本屋の片隅とかに置いてあったヤツだ)を注文してしまった。10枚で送料入れて1600円ぐらい。画質とか期待できないのだろうが、とにかくは。
おそらく蓮實氏はその「ジョン・フォード論」の大半はすでに書き終えているようなニュアンスも読み取れたが、とにかくは早く全部読みたくなってしまうのだった。
昼過ぎに雨もようやくやんで、待ちかねて洗濯をして買い物に出かけた。日曜日はバナナ5本買うというのがこのところのルーティンだが、スーパーまでは行かないで、近場のコンビニで買った。
夕食はずいぶん昔に買った「中華街咖喱飯」という、ほとんどインスタントなお手軽なカレーをつくる。肉とタマネギを炒め、その粉末調味料をプラスしてやればいいのだけれども、例えば蕎麦屋のカレーライスだとか、ラーメン屋のカレーライスだとかの懐かしい味がしてかなり美味だった。まだ2回分ある。