ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-01-24(Thu)

 夢をみた。また誰一人登場しない画像だけの夢で、その夢は一枚の写真があらわれるだけである。モノクロの写真はヨーロッパの旧い街のような石畳の道を撮られたもので、その道の中央を一人の男が歩いている写真のようだった。その男の足下に、一匹の子ネコがこちらに向かって進んで来ているところで、その画像はどこかぼやけていて、そのネコのうしろにはぼんやりとした白い影が伸びていた。その写真をみている夢の中のわたしは、「これはダゲレオタイプの写真で、シャッタースピードが遅いものだから、そのあいだにやって来た子ネコが道を進んで来て、そんな残像とかもいっしょに写ってしまったんだな」とか思っているのだった。

 この日も出勤のときに昨日と同じような雲にかかった月が見られ、こういうのを「おぼろ月」というのではなかっただろうか、などということを思い出した。漢字で書くと「朧月」となる。月と月とのあいだに「龍」が挟まれている。なるほど、月の手前の雲が刻々と移動したりすると、そこには何か神秘な生命の蠢くようなさまも思い浮かべられるだろうか。

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 しかし、この日はこの冬でいちばんに寒い日だったように思う。家を出て、その寒さに「セーターを着て出るのを忘れたのだろうか?」と、たしかめてみる始末だった。日が昇ってからもしっかりと日が照るようなこともなく、風が冷たい一日だった。

 仕事を終えて自宅駅からウチに戻る途中、道に立っていた女の人が何かを探し求めているような、あたりの様子をうかがうような奇妙なスタンスを見せていて、「どうしたのだろう」と思って歩いて行くと、道路脇に自転車が倒れ、そのそばに乗用車が停まっていた。この北風で停めてあった自転車も倒れてしまったのだろうかと思って歩いていくと、その乗用車の先に若い男性が倒れていて、その脇で二人の女性が男に「大丈夫ですか! 大丈夫ですか!」と声をかけていた。みると、その男性は完全に意識を失っているようで、鼻から血が流れていた。「交通事故」なのだ。
 ちょうどそこはT字路になっているところで、おそらくは直進して来た自転車がやって来る乗用車に気付かずに追突してしまったという情況ではないかと思った(これはわたしの勝手な想像)。「あららら、何かお手伝いできるかな?」とか思っていると、すぐに救急車がやって来て、うしろから手際よく寝台を運び出すのだった。救急車のサイレンを聞きつけて、あたりの住民も道路に顔を出して来る。
 外から目立った外傷はないようだったけれども、「鼻血」が出て意識がないというのは、強く頭を打ったのではないかと思った。なにごともなければ良いがとは思う。
 わたしもこの地に転居して来てからはいつも「交通事故が怖そうな地域だな」とは思っていて、この日に事故のあったところはともかくとして、ウチから100メートルぐらいのところにある「信号機のない横断歩道」では、いつも「ここでは気をつけなくっちゃ」と思っている。つまり、「信号機のない横断歩道」というのは当然、横断歩道を渡ろうとする歩行者や自転車が優先で、クルマは本来は一時停止しなければならないのだが、わたしはこれまで何百回とこの横断歩道を渡って来たが、停まってくれる車などほとんどない(パーセンテージでいえば1パーセントぐらい)のが現状。いちどなど何と(完璧に、充分に歩行者が優先されるだろうという距離で横断歩道を渡り始めたというのに)クラクションを鳴らされたことがある。だからもう、今では、横断歩道の手前で横断のタイミングを待っているときに停車してくれる車があると、「ありがとうございます!」と、運転する人に感謝して、頭を下げながら渡っている。これはほんとうは本末転倒というか、歩行者はもっと堂々としていいのだが、堂々としながら横断歩道を渡っても、クルマに轢き殺されたらそれでおしまいである(例えそのあとで運転手が逮捕されたりしても、わたしはもう天国だか地獄だか<おそらくは地獄の方だろうな>に行ってしまっているのだ)。だからいつも、この横断歩道を渡るときには毎回、「わたしの人生もココでおしまいね!」とイメージしているというのは、これは本当のこと。