ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『i-新聞記者ドキュメント-』森達也:監督

       f:id:crosstalk:20200216120809j:plain:w400

 森達也監督の作品、『A』や『A2』も観ていると思うのだけれども、あいにくと(病気のため)記憶には何も残っていない。ただ、先年の『FAKE』のことは記憶にある。そんな『FAKE』の記憶からこの作品のことを書きたい気になる。
 『FAKE』は、「真」と「偽」を疑うような視点があって面白く観た記憶があるのだけれども、この作品、その「真」と「偽」、「善」と「悪」、さらにいえば「男」と「女」という二元論をそのままどっぷりと受けているような印象を受けた。

 もちろんわたしだって、この作品の被写体である望月衣塑子記者の活動を応援したい気はあるし、報道されている彼女への不当な「取材拒否」には腹立たしく思っている。
 しかし、このドキュメンタリーでは、単に演出者がリベラルな人間であるからリベラルを支援しているのだというところがあるし、何よりも、監督の森達也氏が被写体の望月衣塑子記者と「自己同一化」を図ろうと、そのことにあこがれるような姿が見られるように思う(そのドラマはそれとして面白くもあるだろうが)。
 わたしとしては、ドキュメンタリーなのであれば、もっとニュートラルな視点からの演出を期待したいところではあった(これでは書き方として不十分で、もっと書きたいこともあるのだけれども、時間がないのでここまでにします。誤解を生じるようなことがなければいいと思います!)。