ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-06-06(Sat)

 昨日『スウィート ヒアアフター』を観て、やはりどうしても阿部謹也の『ハーメルンの笛吹き男』を読みたくなってしまい、午前中にとなり駅のデパートの中の本屋まで買いに行った。
 もうデパートは通常営業していてそれなりにお客さんもいるのだが、そこまでに「週末のショッピング・スポット」という人出ではない。まだ時間が早かったからだろうか。本屋へ直行し、ついでに気になっていたNHKテキスト、「100分de名著」で今発売されているカントの「純粋理性批判」も買った。
 『純粋理性批判』の岩波文庫版はけっこう前に買ってあるけれども、50ページほど読んだところで挫折してしまった経験がある。くやしいのでこのテキストを頼りにして、再度挑戦してみたいのである。
 目的の『ハーメルンの笛吹き男』にはなかなかに扇情的(?)な帯が巻かれていて、けっこうこの帯のおかげで売り上げも伸びたらしい。手書きポップの威力だろうか。

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 ついでに同じデパートの中にある某東急ハンズでちょっと「お買い物」をして、某家電量販店でUSBメモリーを買う。せっかくウチのミニコンポに「USB録音」機能が付いているというのに今までまったくその機能を使わず、石器時代の遺物のMDで録音~再生を繰り返している。そこをいい加減にハイテク化しようと思ってのことだが、しかし和室のベッドのそばに置いてあるカセットデッキではMDかCDしか再生できないので、やはりそう簡単に石器時代から脱却できそうもない。

 ちゃっちゃっと買い物をすませ、さっさと帰宅すると、家を出てからちょうど1時間での帰宅だった。このくらい気楽に買い物ができるといい。
 ニェネントはこのところ、「もうコイツは家に一日中いたりしなくなったのだな」と認識したのか、わたしが帰宅しても和室の奥から出て来ないし、わたしとの距離も「ソーシャル・ディスタンス」以上のものがある。

 なんとか『ハーメルンの笛吹き男』を今日と明日で読み終えたいと午後は読書をつづけるが、どうもなかなかに読み進められなかった。夕方から「GYAO!」で日活ロマンポルノの『天使のはらわた 赤い教室』を観て、そのあと『実録・中国共産党』というアメリカ製のTVドキュメンタリーを観た(本来、この日記の書き方ならば「ホームシアター」という項目で別に書くことだろうけれども、今日はこうやって日記の中に書く)。日本のタイトルは反共っぽく、原題も「China The Roots of Madness」というものだが、中国の近代史を「憎悪」というキーワードで俯瞰しようとしたもの。監修とナレーションを中国に長く滞在し、のちにピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストのセオドア・ホワイトが担当している。このドキュメンタリーが製作されたのは1967年で、中国ではちょうど「文化大革命」の時期だった。
 じっさいのところ、そこまでに中国共産党にスポットを当てたドキュメンタリーではなく、清朝の崩壊から以降の中国の近代史を、中国の歴史に焦点を置きながら俯瞰したもので、まあ結論として「なぜに今の中国は西欧と敵対する<脅威>になってしまったのか」ということを解き明かそうというものではある。
 しかし、近代の中国については日中戦争の経緯から日本の視点からの歴史観ばかり見てきていることもあり、こうやって改めて「中国史」を眺めることに、知ることは多かった(中国共産党の「長征」だとか、「八路軍」などということを、じっさいにはわたしはよくわかっていなかったのだ)。
 ひとつ面白かったのは、日中戦争で疲弊した中国は、日本がアメリカに宣戦布告したという「愚行」によって、将来的にアメリカの援助を受けることができ、日本に勝利することができるだろうと確信したこと。まあ戦後、中国共産党の政権奪取の前にその中国とアメリカの友好関係は壊れてしまうわけだけれども。
 長く中国で暮らしたパール・バックの貴重な証言などもあり、当時のアメリカからの中国観を知る上でも、まさに興味深いドキュメンタリーだった。