昨夜だけれども、わたしがベッドに横になってしばらくして、ニェネントくんがわたしの上に跳び乗ってきた。
「おや、いらっしゃい。よく来たね。ゆっくりしてお行き」と思ったけれども、10分ぐらいはわたしの上でまどろんでいたけれど、そのうちに降りて行ってしまった。
さてこの日はアメリカの大統領選挙の開票が始まっていて、テレビなどは朝からその報道ばかりだった。見始めたときはトランプ氏が圧倒的にリードしていたのだけれども、これは保守の強い地域から開票が進んで行くので、毎回共和党候補のリードから始まるらしい。やはり「接戦」だと言っていて、最終的に勝者が決まるのは4日ほど先になるのではないかということだった。すでにトランプ氏などは「どこそこの投票で不正が行われている」などと語り、すでに自分が負けた先のことに布石を置いている感じだ。「ふむ、暴れる気だな」という感じだ。
しかし開票が進むにつれ、激戦地域といわれていた州などでもトランプ氏の勝利が相次ぎ、昼ごろには「ハリス氏はダメみたいだな」という空気が広くただよいはじめ、午後になると開票は終わってなかったけれども、もう「トランプ氏の勝利」ということが確実になってしまったのだった。
さて実はわたしはこの日、また夕方からとなり駅の映画館に行き、またフレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー『インディアナ州モンロヴィア』という作品を観るつもりなのだったが、実はこの『インディアナ州モンロヴィア』という作品、2016年の大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことを受けて撮られた作品。ワイズマン監督は共和党支持者の多いインディアナ州にある小さな農村、モンロヴィアを訪れて撮影したというものだったのだ。
前からこの日にこの映画を観に行くことは決めていたのだけれども(この日1回しか上映されないのだ)、その日がアメリカの大統領選の開票日にあたることはあとになって知り、「仮に今回トランプ氏が大統領に選ばれて、その日にこの映画を観るようなことになったらヤバいなあ」とは思っていたのだけれども、そんなイヤな予感が当たってしまったのだった。まさにトランプ氏が次期大統領に選ばれるという日に、8年前にやはりトランプ氏が大統領に選ばれたことをきっかけに撮られた作品を観るなんて‥‥。
いつも通りの時間にニェネントくんの夕食を出してあげ、この日は長袖Tシャツの上からパーカーを着込んで家を出た。雨の心配はないということだったが、空には白い雲、黒い雲とが入り乱れてそのすき間から青空が見えるという、ちょっと不思議な空模様だった。
映画の上映は5時からだけれども、わたしは4時ちょっと過ぎには映画館に到着。待ち時間は映画館ロビーで本を読んで過ごした。
ようやく映画が始まり、この日この映画を観るというタイミングの観客は10人ちょっとぐらいかな。みんなわたしと同じような感慨を持って観に来たことと思う。映画の感想とかは別に。
映画が終わって7時半。外はもう真っ暗で、こんな時間まで家の外に居るなんていうことは、実に久しぶりのことなのだった。映画館の近くにある「半オープンテラス」みたいな居酒屋も、もう開店しているのだった。これからオープンスペースで飲むのは寒くなるだろうな(ビニールカーテンで外の寒さをしのいでいるようだ)。
この日も映画館のとなりのスーパーに立ち寄るのだったが、先日ネットでこのスーパーのことを調べていたら、この場所でこのスーパーの支店が営業を始めたのは今年の4月からのことだったという。わたしが今までこの店に気がつかなかったわけだ。
この日もお弁当を買って帰ろうと思っていて、時間的にお弁当とかは値引きされているんじゃないかと思ったのだったが、もうすでに遅かったというか、お弁当売り場には空っぽのスペースがけっこう拡がっていて、その代わり値引きされていないお弁当はいっぱい残っていたのだった。「どうしようかな」と思って、1割引きになっていたお寿司のパックを買うことにした。たまにはいいだろうけれども、サーモンやまぐろの具はニェネントくんの胃の中に入って行くことだろう。
帰宅して食事。やはり「わたしにもちょうだい!」と寄って来たニェネントくんに、やはりサーモンやまぐろを分けてあげるのだった。ちょっとシャリの味がイマイチとは思ったが、スーパーなどで売られている寿司はみんなこんなものなのだろう。
テレビはもうトランプ氏が次期大統領と決定していて、「ハリス氏の敗因」とか「今後のアメリカの進路、世界情勢の変化」などを語っていた。
わたしが思うこともいろいろあるが、とにかくはこれからの4年間、酷いことが起こらないように祈りたい。