ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2024-09-28(Sat)

 今年は春以降、黒沢清監督の新作が連続して3本も公開され、黒沢清ファンとしてはうれしい限りの年になっているけれども、その3本目、『Cloud』が昨日から公開され始めた。ウチの近郊でも、となり駅で乗り換えて行く駅にあるシネコンで上映されるのだった。
 前にも書いたけれども、ウチのあたりからは、メジャーな映画ならばその乗り換えた先のシネコンでだいたい上映されることになるし、「こんな作品が?」というようなマイナーな作品はとなり駅の映画館で上映されることが多いので、じっさい「観たいな」と思う映画はそのシネコンかとなり駅かどちらかでたいていは観ることが出来る。ありがたいことで、もう長いこと東京の映画館とかに出かけて映画を観ることもなくなっている。

 そういうわけで今日は、シネコンに『Cloud』を観に行くことにしたのだ。
 最近はそのシネコンの方からはちょっと足が遠のいていて、このシネコンに来るのは、6月に同じ黒沢清監督の『蛇の道』を観て以来のことになる。
 シネコンの上映スケジュールを見ると朝の8時半ぐらいからの上映もあるのだけれども、ちょっと早いので午後いちの13時20分からの回を観に行くことにした。

 昼前のちょっと早い時間に蕎麦を茹でて軽い昼食にして、12時過ぎに出発。帰宅するのはニェネントくんのいつもの夕食時間より遅くなるだろうから、「待っててね」という感じでニェネントくんのお皿に「ちゅ~る」を出してあげた。ニェネントくんは押し入れの中に引きこもっているので、「ちゅ~る」が出されても気がつかない。
 このところの毎日のように空は重い雲が垂れ込めていたけれども、スマホの天気予報、雨雲レーダーではこの日は一日雨にはならないということで、傘は持って行かない。気温は30℃近くにはなるらしく、半袖のTシャツでいいだろう。
 上映が始まる30分ぐらい前にシネコンに到着し、チケットを買う。そこまでにチケットも売れていないようで、「ここがいい」と思う通路ぎわの、けっこう前の方の座席を取れた。

       

 いろいろと公開予定作品の予告が流され、「いろんな映画があるものだなあ」とは思うが、ティム・バートン監督の『ビートルジュース ビートルジュース』の予告も流され、「コレはやっぱり観たいなあ」とは思う。そしてこのシネコンではとなり駅の映画館ではやらない「映画泥棒」の映像が流されて、「映画館でちがうんだなあ」と思わされる。

 ‥‥『Cloud』上映開始。さいしょのうちはコレはやっぱり「ホラー・サスペンス」なのかと思って観ていたが、そのうちに『蛇の道』みたいな拉致監禁、銃撃戦にはなるし、笑かせられる展開もつづいて、何度か声を出して笑ってしまった。
 黒沢清監督作品におなじみの「廃工場での銃撃戦」「雑木林の中の疾走」とかがあり、さいごには「雲の中を浮遊するようなクルマ」となる。そういうところで、今までの黒沢作品を自己引用したような、「娯楽作品」なのだなあ、とは思った。
 観終えても実に楽しかった作品ではあり、またこれから2度、3度とリピートして観たくなる映画だった。う~ん、コレは黒沢清監督ファンのための作品だなあ、と思った。
 映画を観終えたあとショップに立ち寄り、パンフレットが千円とちょっと高めだったけれども、やっぱり買ってしまったのだった。

 シネコンの外に出て、このスポットは大きなショッピングモールになっているので、少し散策してみる。中にある大きな書店にも行ってみたが、新刊書はわたしの知らない著者の本ばっかりだ。でも、文庫本売り場には今はもう、『百年の孤独』が山のように置かれているのだった。わたしは今は安部公房を読みたい感じなので文庫本を買おうかとも思ったけれども、Amazonマーケットプレイスなら定価以下で買えるではないかと思い直した。
 書店の下にはウチの東にあるスーパーと同じチェーン店のスーパーがあり、立ち寄ってまた「海鮮丼」を買うのだった。帰ってニェネントくんにわけてあげよう。

 ショッピングモールの外に出ると、もっと早い時間には何らかのイヴェントが行われたみたいで、「これはアルパカだろうかね?」というような動物が、しきいの中にいるのだった。

     

 駅に行って電車に乗り帰路に着き、自宅に着いたのは5時ぐらいになってしまった。ニェネントくんに「遅くなってゴメンね」と夕食を出してあげ、わたしはひと息ついてから買って帰った「海鮮丼」を食べ始めたのだが、食事を終えたばかりのはずのニェネントくんがやっぱり匂いをかぎつけて飛んで来て、わたしもニェネントくんの好物のサーモンだとかおさかな類を分けてあげるのだった。