ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966) 円谷英二:特撮監督 福田純:監督

 アメリカとの「キングコング」使用契約期間の残っていた東宝は、「もう一本キングコング映画を」とアイディアを練り、エビの巨大化した「エビラ」とキングコングが戦う『キングコング対エビラ』を企画、脚本も作成したが、アメリカ側がこの企画に首を縦に振らず、キングコングに関しては1967年の『キングコングの逆襲』が撮られることになった。
 それで脚本まで出来ていた『キングコング対エビラ』も何とかしようと、キングコングゴジラに置き換えてこの作品が撮られることになったわけだ。今回は本多猪四郎監督はお休みで、監督は福田純。この人は加山雄三の「若大将シリーズ」を撮っていた人で、この作品にもそういうタッチが感じられる。

 ストーリーはいよいよもって「わけのわからないモノ」になり、こんな「行き当たりばったり、ご都合主義」のシナリオでも映画になるんだなあと、逆に感心してしまう。

 モスラのいるインファント島に近いらしい「レッチ島」という島に、日本から金庫破り専門の泥棒の吉村(宝田明)、それと二人の学生、それと漁船が沈没して行方不明になった兄を探している良太という青年とがヨットで近づいたとき、海から現れた巨大なエビの「エビラ」に襲われてヨットは転覆、4人はレッチ島に泳ぎ着くのだ。この4人がなぜいっしょにヨットに乗っていたのかということは、書くと無意味に長くなるし、アホらしくって書く気がしない。

 島で4人は秘密組織「赤い竹」一味の基地を発見するのだが、どうやら一味は核兵器を製造しようとしているらしい。これはひょっとしたら、北朝鮮の組織なのだろうか?
 そして基地には、インファント島から連れて来られたインファント島民らが強制労働させられていたのだ。う~む、拉致問題。やはり北朝鮮だな?

 4人は基地から脱走して来たインファント島の娘、ダヨ(水野久美)と出会い、良太はダヨからインファント島に良太の兄が無事にいることを聞く。
 4人とダヨとはレッチ島を脱出しようとするが、「赤い竹」の海岸線警戒は厳重で、発見された5人は追われたり捕まったり脱出したり(脱出とかには吉村の「金庫破り」の才能が生かされる)。そのうちに彼らは島の谷底で寝ているゴジラを発見する。

 一方、インファント島では行方不明になった島民を救うためにモスラの力を借りようと島民たちが祈りのダンスを舞っているが、成虫になっているモスラはこっちも深い眠りについているのだ。み~んな寝てばっかり。
 5人は「ゴジラを目覚めさせて基地を破壊させ、インファント島民も救い出そう」と考え、手づくりの「避雷針」をゴジラにつなぎ、落雷によってゴジラを目覚めさせるのだ。
 ゴジラは「赤い竹」の基地を破壊し、インファント島民も解放される。「赤い竹」一味は基地を放棄し、レッチ島を核爆弾で爆破するタイマーを起動させ、自分たちは船舶で脱出しようとするのだが、あらわれたエビラに船も沈められ、全滅するのだ。

 ゴジラがエビラと戦っているあいだに、ついにモスラも目覚めることとなり、インファント島へと飛び立つ。レッチ島では「モスラが来るから」とインファント島民ら全員が乗れるかごをつくり、やって来たモスラによって全員インファント島へと戻るのだった。モスラ、今回は出番少ないし、ただ空を飛ぶだけかよ。良太はインファント島で兄とめぐり会うし、めでたしめでたし。
 一方のゴジラは水中で戦ったりもしてついにエビラを倒し、「今夜のメシはロブスターの放射熱線焼きだな」とかやってるんだけれども、そんなときにレッチ島では核爆弾が爆発。島は吹っ飛んでしまうのであった。ゴジラは、海に潜っていて無事であったのだろう。おしまい。

 南洋の島だけが舞台なので、ゴジラが市街地を破壊するのはなし。でも「赤い竹」の基地を破壊するのにけっこうがんばる。ただ、エビラというヤツが水上では上半身だけの戦い、というかハサミが動き回るだけみたいな。双方水中に潜っての戦いもあるけれども、何がどうなってるのかあんまりわからなかった(Blu-rayジャケットの、ゴジラがエビラを一本投げするようなシーンは、本編にはありまっせん)。
 タイトルに名を連ねるモスラの出番は少ないのだけれども、眠れるモスラを覚醒させるため、島民らが祈りを捧げダンスを踊るシーンが何度も何度も、しつっこいぐらい出てくる。それはいいとしても、ここで踊られるダンスはとても南洋の島などで見られるダンスではなく、この映画当時の60年代ぐらいの西洋の「モダンダンス」にしか見えない。すっごいシラケた。どうせなら、バブリーダンスみたいなのやって欲しかったなあ。あ、時代がちがうか。
 今回のゴジラのデザインは、その口が90度ぐらいまでカパッと開くわけで、いよいよカエルみたいに見えるし、もう威厳も何もない。
 エビラについてひとこと言っておけば、前半に出たときと後半とでスケールが全然ちがうのが気になった。前半ではそのハサミで人間をはさむシーンがあり、その映像からハサミの長さは4~5メートルぐらいかな?というところだけれども、後半ではでっかいクルーズ船みたいな船をハサミではさんでしまう。そうするとハサミは10~15メートルはありそうなのだった。これはよろしくない。

 人間ドラマは前回の「X星人」よりはマシというか、スパイ映画のサスペンスみたいで、展開はアバウトだとは言え「楽しいスパイ漫画」というところではあった、かな?