ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2023-05-20(Sat)

 土曜日なので、朝はピーター・バラカン氏ナヴィゲートの『ウイークエンド サンシャイン』を聴く。この日は、この3月に亡くなられたウェイン・ショーターの特集だった。わたしもじっくり聴いたのだが、いつもの朝なら朝食を食べたあとしばらくリヴィングにいたあと、さっさと和室に引きこもってしまうニェネントくんが、番組が終わるまでわたしのそばの椅子の上で丸くなってまどろんでいたのだった。ウェイン・ショーターの音楽が気に入ったのだろうか?
 ニェネントくんは部屋の中で音楽を流すと、「それ、嫌いだね!」と和室に行ってしまう音楽と、そのまま音楽を聴いているみたいにまどろむ音楽とがあるみたいだ。嫌いなのはボブ・ディランで、前に『ブロンド・オン・ブロンド』をかけたとき、「ニャッ!」と啼いて走って逃げて行ってしまった。もうぜったいにボブ・ディランがイヤだったんだな、とわかる反応だった。
 意外と平気なのがグレイトフル・デッドで、わたしがそのライヴを聴いていたとき、ずっとリヴィングにとどまっていたのだった。「おや、気に入ったのかね?」とか思ったものだった。

 そのニェネントくん用に買った体重計が、午後に届いた。思っていたよりもずっと大きくって、そのままはみ出さずに余裕でニェネントくんも「計量ベッド」の上に乗っかれる。わたしはダメだったらニェネントくんにペットキャリーに入ってもらって、そのペットキャリーといっしょに測ろうと思っていたのだが、そういうことをしなくっても大丈夫だ。
 それでさっそくニェネントくんに乗ってもらって体重を測らせてもらったのだが、なんと5320グラムもあった。手術がすんで退院したときは動物病院で4650グラムだったのだから、やはり明らかに肥満体であろう。そう思ってこの写真を見ても、やっぱり太って見えるではないか(下の写真で表示が4889とかなっているけど、ウソ)。
 これからは「ニェネントくんダイエット計画」に、本気で取り組もうと思う。

     

 G7広島サミットに出席するため、ウクライナのゼレンスキー大統領がこの日来日した。広島空港にダイレクトに到着するのには「それはそうだよな」と思ったが、テレビのニュースの映像を見て、空港に着陸した旅客機からゼレンスキー大統領がただ一人、護衛も付けずにタラップを降りるのにはいささか驚いてしまったが、彼のアグレッシヴさのあらわれとも見えた。
 このサミットにはG7の国々以外にも8ヶ国代表が招待されており、そんな招待国のひとつのインドのモディ首相も、ゼレンスキー大統領との会談が予定されているという。わたしはこれは重要なことだと思う。インドは今まで「ウクライナ支援」ということを公表してはいない国で、この会談の成果がどのようなものになるかわからないが、インドの招待はある意味で「インドをG7側に引き込む」ことを狙ってもいるのだろう(ほかの国についても同じことが言えるだろうが)。
 「G7サミット」にどういう意味合いがあるか。ちょうどこの日読んでいたコラムで、イギリスの「政治地理学者」ピーター・テイラーが1985年に刊行した『世界システムの政治地理』という本の中で彼が「国家の意思決定」について書いてあるのを読んだ。以下に引用します。

①目下の同盟国および潜在的な同盟国はどの国か
②目下の敵国および潜在的な敵国はどの国か
③どのようにして同盟関係を維持し、潜在的な同盟関係を促進するのか
④目下の敵国にどうやって対処し、脅威の出現にどのように対処するのか
⑤以上の4つの規定を国民とグローバル社会に対してどのように正当化するのか

 1985年という古い著作だし、あくまでも「同盟国」と「敵国」との色分けを前提とすることには問題もあるだろうが、しかし、今「G7広島サミット」がやろうとしていることはまさにこういうことだろうと思う。
 特にここで⑤で書かれた「グローバル社会」とは、まさに今いわれるようになった「グローバルサウス」ということでもあり、今回G7に招待された8ヶ国などのことでもあろう。ここにウクライナのゼレンスキー大統領がサミットに「対面参加」したことの意味は大きいだろう。そういう意味でも、被爆地の広島で開催し、岸田首相が「核廃絶」を第一課題としたことでも、このサミットは「歴史的」なものであるだろう。
 わたしは岸田首相を支持しているわけではないが、このようなサミットは、例えば前の首相菅氏ではとうてい行えなかったことだろうとは思う。

 そしてそういう「同盟国」と「敵国」とを分けたとき、G7からみて「敵国」とされるのは、もちろんロシアと中国ではある(北朝鮮も)。もちろん「敵国」とされたロシアと中国は反撥するだろうし、それらの国なりに同様に「国家の意思決定」を行おうとするだろう。ロシアのプーチンの反応は今はわからないが、習近平の中国は露骨に「G7」に対抗する動きを見せ、中央アジアの諸国を招いての「サミット」を行うようだ。「グローバルサウス」でいえばアフリカへの中国の影響は大きく、中国はその影響力をさらに増大させようとするだろう。

 けっきょく、これからの世界はまさに「G7+EU」と「中国・ロシア」に二分され、かつての「東西冷戦」をも超える対立となることだろう。今、その焦点はまさにウクライナにあるし、将来的には「台湾問題」もクロースアップされてくるのではないだろうか。
 皆が願う「平和な世界」の到来は、まだまだ当面は訪れることはないだろうな。

 今日は「Amazon Prime Video」で観ることができる映画を検索していたら、シュヴァンクマイエルの『ファウスト』があったので、夜はこれを観た。