ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ゾンビランド:ダブルタップ』(2019) ルーベン・フライシャー:監督

 昨日観た『ゾンビランド』から10年を経ての続篇で、映画の中でも同じく10年の月日が経っているらしい。これは完全な「続篇」というか、設定も登場人物もその4人の関係もすべて『ゾンビランド』を踏襲していて、この続編でもういちど説明されるようなことはない。

 10年のあいだにゾンビたちも進化して強力になったらしく、なかなか死なないタイプのゾンビは4人に『ターミネーター』の「T-800」と呼ばれる。
 4人は今は無人になっているホワイトハウスで共同生活をしていて、コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)とウィチタ(エマ・ストーン)との仲はずいぶんと進展したようで、コロンバスはウィチタに結婚を申し込むのだが、ウィチタはそれを聞いて複雑な表情。
 リトルロックアビゲイル・ブレスリン)はもうそんな4人だけでの生活に飽き飽きもしていて、同世代の生き残り人間に出会いたいとも思っている。
 ある朝タラハシーウディ・ハレルソン)とコロンバスが起きてみると、ウィチタとリトルロックタラハシーの愛車に乗ってどこかへ消えてしまっていた。徒歩で2人を探し始めたタラハシーとコロンバスは、通りがかりのショッピングモールの中で「生き残り」の若い女性と出会う。このマディソン(ゾーイ・ドゥイッチ)という女性はいささか能天気で、すぐにコロンバスの誘惑を始めたりする。
 一方、リトルロックはバークリーというヒッピー風の生き残り人間と出会い、姉のウィチタを置いてけぼりにして2人で「バビロン」という(架空の)ヒッピーらの聖地に向かうのだ。
 4人は「グレイスランド」で再会。ここでさらにネバダという生き残りとも出会う。そしてまたもリトルロックが姿を消し、そりゃあ「バビロン」へ行ったのだろうと、皆はその「バビロン」へ向かうのだった。

 そういうわけで新しい仲間(?)も増えるが、基本的な展開は前作と同じというか、前作で「ビル・マーレイ邸」に行った代わりに今回は「グレイスランド」へ行き、前のラストが「パシフィック・プレイランド」だったように、今度は「バビロン」というスポットへ行くのである。
 途中、バンバンとゾンビらをなぎ倒しながらになることは前作と同じだが、さすがにいささかグレードアップされたというか、特にラストの「バビロン」での闘争は、かなりスゴいことになっている。

 前作と同じように楽しめるわけだけれども、わたしは前作のジェシー・アイゼンバーグの「ちょっとずつ成長を見せていく」演技が好きだっただけに、そういうところで「大人になってしまった」彼はちょっと残念だ。ハチャリキになり過ぎてる感もあるウディ・ハレルソンも、プレスリーの衣装を着てみたり、彼のキャラクターからすると「やりすぎ」という感じだ。エマ・ストーンは前作より表情豊かになった感もあるが、逆にアビゲイル・ブレスリンは出番も少なく、平板になってしまったような気がしたが。
 今回やはり楽しかったのは、マディソンを演じたゾーイ・ドゥイッチの「ちょっと頭の足りない」能天気演技で、けっこう笑かせられた(でもいちばん笑えたのは、映画冒頭の「Columbia」のオープニングロゴだったかもしれない)。

 映画ネタとか音楽ネタとかがけっこうあって、わたしにはわからないところもあったが楽しめた。ただ、「Portished」を「ポーティシェッド」と読みまちがえるというのは、わたしも過去にやった経験があるので、懐かしくも笑ってしまった。

 まあこのエンディングならば、「さらに10年後」とかもつくれそうだけれども?