ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ゾンビランド』(2009) ルーベン・フライシャー:監督

 昨日『カメラを止めるな!』日本版・フランス版を観たもので、「また何かゾンビもののコメディが観たいな!」などと思い、それは具体的に『ショーン・オブ・ザ・デッド』を観たいということだったのだけれども、調べているとこの『ゾンビランド』という作品が見つかり、まるで知らない映画だったのだけれども、出演者がジェシー・アイゼンバーグウディ・ハレルソンエマ・ストーン、そしてアビゲイル・ブレスリンと、み~んなわたしの知っている俳優さんたちだったもので、けっこうこの作品の評判もいいみたいだった。それでこの作品を観ることにした。
 監督のルーベン・フライシャーという人はミュージック・ヴィデオのディレクターとかの経歴があるようで、そういうノリの演出は随所に見られた。

 世界でゾンビがのさばり、ほとんどの人がもうゾンビ化しているアメリカ。そんな中、テキサスからひとりの若者がオハイオのコロンバスへ行こうとしていた。それはコロンバスはまだゾンビに汚染されていないと聞いたからである。彼は引きこもりのオタクで、友だちも恋人もいなかったが、自ら課した「ゾンビの世界で生き残るための32のルール」を厳守し(たまに破るが)、生き残ってきた。彼はのちに同行者に「コロンバス」と仮の名を付けられる(ジェシー・アイゼンバーグ)。
 旅の途中、腕力も射撃の腕も凄そうな男と出会い、彼はタラハシーを目指しているということで、彼のことは「タラハシー」と名付け、途中まででも一緒に旅をすることにする(ウディ・ハレルソン)。
 ゾンビを倒しながら旅をつづけた2人は、途中で「妹がゾンビに噛まれた!助けて!」という女性に会い、様子を見に行くが、それはその姉妹2人が車を奪うための狂言だった。彼女たちは詐欺の常習犯ではあった。けっきょくコロンバスとタラハシーは2人に追いついて、その姉妹を姉はウィチタ(エマ・ストーン)、妹をリトル・ロック(アビゲイル・ブレスリン)として、4人で「ゾンビのいない地」を目指して旅を続けるのだった。

 姉妹の意見を取り入れてロサンゼルスに行くことにした一行、ロスの豪邸に入ってみると、そこはビル・マーレイの屋敷だったりして(本人出演)。ここで4人はしばらく滞在し、お互いに絆を深めるというか、特にコロンバスとウィチタは「あと一歩」ぐらいには進展するのだが。
 ロスの大きな遊園地「パシフィック・プレイランド」に行きたがっていた姉妹は、2人を置いて「パシフィック・プレイランド」へ行ってしまう。落ちていたプレイランドの電源を入れ、あらゆるアトラクションを楽しむのだが、プレイランドの明かりがついたのを見たあたりのゾンビたちは、いっせいにプレイランドへと向かうのであった。
 一方、コロンバスとタラハシーも、姉妹がプレイランドへ行ったと推測をつけ、プレイランドへと向かうのだった。ちゃんちゃん!

 ま、大したストーリーでもないのだが、そういうミュージックヴィデオの演出的なところを活かした演出はスピーディーで機知に富んでいて、次々にあらわれるゾンビどもを倒しながらの「ノンストップ・アクション」的に進行するのが楽しい。特にラストのプレイランド~遊園地での盛り上がりはキマっていた。
 それと、やはり「芸達者」である4人の役者さんたちの演技、それぞれとのぶっつかり合いも楽しい。特にわたしも好きなジェシー・アイゼンバーグの、コロコロと変化する表情を見ているだけでもいっぱい楽しめるし、エマ・ストーンとはどうなるんだろうかとか思うのだ。そういうところでは「青春映画」でもあるのだけれども、映画の長さも88分と長すぎず、こう言っちゃ何だが、「時間つぶし」にはピッタリの映画だっただろうか。

 調べたら、この4人がまた集結して、監督も同じという『ゾンビランド:ダブルタップ』というのが10年後の2019年に公開されているようで、そっちもけっこう」評判が良かったみたいだ。そっちも観てみようかな?