ニェネントくんが、ご飯を食べなくなった。朝食のカリカリは、ときどき一度には食べずに置いておいてあとで食べるようなこともあったから(午前中には食べてしまうが)、今日もそういう感じで「あとで食べる」のかと思っていたら、午後になってもまるで口をつけていないのだった。今までになかったことだし、思い返せば昨日の夜もわたしのベッドにはやって来ないでリヴィングで丸くなっていたし、それにけっこう盛大に嘔吐している。いつもの嘔吐は吐しゃ物も「毛づくろいの毛玉」で吐いちゃった、みたいなものだったけど、昨夜は「未消化」の食事をそのまま大量に吐き、色も黄色っぽかったし、朝のカリカリなどその丸いかたちが未消化のまま残っていた。こういうことも今までになかったことだ。
そのあとニェネントくんはわたしの布団の中にもぐり込んでじっとしているというか、普段のようにリヴィングに出て来たりとかいうこともない。
夕方になって朝に食べ残したカリカリは捨ててしまって、「ネコ缶」での夕食を新たに出してあげるのだが、いつもならわたしが食事の準備でお皿に「ネコ缶」を取ってあげてると、わたしの足元でせわしく動き回り、「早くちょうだいよ!」って感じなのだけれども、この日はやはり布団の中にもぐったきりなのだ。
いちおうそのあとにリヴィングの方に出て来たニェネントくんだが、夕食を盛った皿に顔を突っ込みはするけれども、食べないでスルーするのだ。
「ちゅ~る」をトッピングしてあげれば食べるだろうかと、夕食の上に「ちゅ~る」と、「ネコ用かつお節ふりかけ」をトッピングしてあげる。
しばらくするとニェネントくんやって来て、「ちゅ~る」をなめ始めたようだ。そのうちにまた布団の中に引っ込んでしまったので夕食のお皿を見ると、トッピングした「ちゅ~る」と「かつおふりかけ」だけ、きれいになめてしまっていた。
まあまったく食べ物を受け付けないとかいうのではなく、「おやつ」なら食べますよ、ということで少しは「最悪の事態」ではないだろうとちょっとホッとするが、ネットでそういうネコの病気を検索すると、一日何も食べないようだと、まずは動物病院へ行くことが推奨されている。とにかくはニェネントも元気がないようで、布団の中から動こうとしないし、わたしが様子を見ようとニェネントくんのからだにさわっても、いつものように嫌がって身をかわそうともしない。
「動物病院」だが、ウチのすぐそば、国道を越えてちょっと北へ行ったところにまず動物病院はあって、ここがウチから歩いても5分ぐらいでいちばん近いのだけれども、あいにくと明日月曜日は休診日なのだ。それに、ずいぶん前にその動物病院には「健康診断」を受けさせようと行ったことがあったのだが、そのとき診療室に連れて行かれたニェネントくんはすぐに戻され、医師は「このネコはとても<凶暴>なので、診察出来ません!」と「診察拒否」された苦い思い出があるのだ。前科一犯。
まあ今度は「このネコは<凶暴>ですので注意願います!」とか言い伝えて診てもらえばいいだろうと、「休診日」でなければその動物病院に行こうと思っていたのだが、明日月曜日一日、何も食べないニェネントくんといっしょにいて気をもんで火曜日まで待つのも精神によろしくないし、やはりこういうことは早く通院した方がいい。
このあたりの次に近い動物病院は駅の向こう側で、歩いて20分以上かかる。実はその病院にも前に一度ニェネントを連れて行ったことがあって(皮膚病か何かだったと思う)、女医先生の応対も親切で、わたしは安心してニェネントをまかせられた記憶がある。このときは先に「<凶暴>ですので」と伝え、エリザベス・カラーをつけて診てもらったのだった。
だから最初っからその駅の向こうの動物病院に決めればいいのだけれども、とにかく遠いっすからね。ニェネントくんが入って重たいペットキャリーをぶら下げて20分以上歩くというのは、前回の通院のときにも「こりゃ大変だ」と思ったものだった。
でもとにかくは「ニェネントくんのため」ではあるし、とにかくニェネントくんの「不具合」としては今までにない症状で危機感も持つし(初めての「内臓疾患」なのだろうか?もうニェネントくんも「初老」といってもいい年齢だしな)、やはり明日、その駅の向こうの動物病院へ行くことにした。しかし、このところわたしの具合が悪くなったと思ったら、こんどはニェネントくんの具合が悪くなったわけか。どうか、重い病気などでないことを祈る。何度も祈る。
布団の中にもぐり込んでいるニェネントくんはおとなしく、動き回ろうともしないし、「とにかくは<安静>が第一」だろうと、わたしはわたしの生活にかまけることにした。
ウチにはむか~し買ったカレーのルーがまだ2箱残っていて、これを早く始末したいというのがわたしの<希望>ではある。そういうわけで今日は「カレーライス」をつくるのだった。
どうも市販のカレールーを使ってカレーをつくると、ドロリとしたカレーにしかならないのがわたしの気に入らないところで、もっと「サラッ」としたカレーにしたいと、カレールーの箱に書いてある水の量をかなり増やしてやってつくったのだが、まだ水の量が少なかったのか、けっきょく出来上がりはやっぱり「ドロッ」としたカレーになってしまった。
しかし考えてみればこのカレーで明日の食事のことは考えなくていいわけだし、明日はニェネントくんを動物病院へ連れて行き、そのあともあれこれとあるかもしれないから、ちょうどよかったのかもしれない。