ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ポオ小説全集3』(創元推理文庫)エドガー・アラン・ポオ:著

 収録作品は以下の通り。

・モルグ街の殺人(The Murders in the Rue Morgue) 丸谷才一:訳
・メエルシュトレエムに呑まれて(A Discent into the Maelstrom) 小川和夫:訳
・妖精の島(The Island of the Fay) 松村達雄:訳
・悪魔に首を賭けるな(Never Bet the Devil Your Head) 野崎孝:訳
・週に三度の日曜日(Three Sundays in a Week) 宮本陽吉:訳
・楕円形の肖像(The Oval Portrait) 河野一郎:訳
・赤死病の仮面(Silence) 松村達雄:訳
・庭園(The Masque of the Red Death) 松村達雄:訳
・マリー・ロジェの謎(The Mystery of Marie Roget) 丸谷才一:訳
・エレオノーラ(Eleonora) 高橋正雄:訳
・告げ口心臓(The Tell-Tale Heart) 田中西二郎:訳
・陥穽と振子(The Pit and the Pendulum) 田中西二郎:訳
・鋸山奇談(A tale of the Ragged Mountains) 小川和夫:訳
・眼鏡(The Spectacles) 佐伯彰一:訳
・軽気球夢譚(The Balloon-Hoax) 高橋正雄:訳
・催眠術の啓示(Mesmeric Revelation) 小泉一郎:訳
・早まった埋葬(The Premature Burial) 田中西二郎:訳

 この巻には、エドガー・ポオの1841年から1844年にかけての17作が収録されていて、巻末の「解説」は、佐伯彰一氏による。

 わたしは前の「第2巻」を読み、特にその『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』にすっかり惚れ込み、「なんだ、ポオというのはすばらしい作家だったではないか」と思っていたのだけれども、それ以後のこの巻収録の作品を読み、正直、(わたしの勝手な読み方で)がっかりしてしまった。
 この第3巻で、多少は興味深く読んだのは『モルグ街の殺人』と『赤死病の仮面』ぐらいのもので、素直に書けば大半の作品はバカバカしかった。
 このことは日記にも書いたが、ネットであれこれ調べていて、あの詩人のW・B・イエイツが、ポオのことを「俗悪」と批判していることを知ったのだが、少なくともこの「第3巻」を読んだ感想では、イエイツの意見に同意してしまう。

 ただ、次の(最後の)「第4巻」は、わたしが小学生のときに読んですっごいインスパイアを受けた『黄金虫』から始まり、『黒猫』へとつづくわけで、この「第3巻」の読後印象を払拭してくれるような読書体験を得られるといいと、期待している。