ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-07-11(Mon)

 安倍元首相を射殺した容疑者が、「安倍氏のことは、自分の家族をメチャクチャにした<宗教団体>に関係した存在として狙った」と供述したらしいことを受けて、その該当<宗教団体>である「統一教会(現:「世界平和統一家庭連合」)」が記者会見を行ったということ。
 面白いことに、これまでその<宗教団体>の名を伏せていたテレビ局など報道機関も、これで<やむを得ず>か、その「世界平和統一家庭連合」の名を表ざたにすることになったし、また、(わたしは見ていないが)その「世界平和統一家庭連合」の友好団体の集会に、故安倍晋三氏が送付したという「ビデオメッセージ」も、テレビで放映されたという。

 安倍元首相射殺犯は、この犯行は「政治的動機によるものではない」と語っていたわけだが、もしもこの犯行が「政治的動機」ゆえであったとしたら、今ごろは「反体制」~「反権力」運動へのバッシングに世論は満たされていたことだろうし、空気としては時間をさかのぼって、数年前の「反安倍」デモに至るまでバッシングされていたのではないかと思う(かく言うわたしも、そういうデモに参加していたのだ!)。右傾傾向の強い今の日本社会で、いわゆる「左派」の反体制運動への批判はさらに強まっていただろうし、そういう体制側からの「反体制運動」への「締め付け」発言も出て来ていただろうと推測も出来る。

 ところが逮捕された射殺犯が語ったのは、「自分の家族が破綻した。その宗教団体幹部を攻撃するのは難しいようだったが、そこに安倍晋三氏が加担していたので、彼を狙った」ということで、ここで予想された「左派(サヨク)」バッシングは起きなかった。これは報道でも、ネット上の「ネトウヨ」や「ヤフコメ」らの発言からも確認出来るのだけれども、今は逆にその声は、「世界平和統一家庭連合」、そして「カルト宗教」への攻撃に向けられている感がある。
 「世界平和統一家庭連合(旧:統一教会)」と故・安倍晋三氏の祖父の岸信介氏との強固な関係は、どうごまかしても否定しようのないモノであり、今の自由民主党の思想的バックボーンである「反共」ということに、その「統一教会」と岸信介氏が設立した「勝共連合」の存在があることも、否定のしようがないし、故・安倍晋三氏の思想にも「統一教会」の存在は否定しようがないだろう。

 これはまさに、「思いもしなかった」ことだが、この実行犯の語る「政治的な動機ではない」という言葉はグルリと回転して、「最大限」の「政治的効果」を生んでいるようにも思える(あの「狙撃」にしても、こう言ってしまっては批判されるかも知れないけれども、「あり得ない成功率」だったのではないかと思う)。

 ある種のコメンテーターは、今回の事件を「民主主義への重大な挑戦」と語っているようだが、それでは世の中のすべての「殺人事件」はみ~んな「民主主義への挑戦」ということにもなるだろうし、そういうことでわたしも「政治的」なことを言わせてもらえば、あの「モリカケ問題」、「桜を見る会」などで「民主主義への重大な挑戦」を先にやっていたのは故・安倍晋三氏だったと言えるのではないか。森友学園での「公文書改ざん問題」で自死された赤木さんは、なぜ死ななければならなかったのか。そのことに安倍晋三氏は責任はないのかと、もう一度書いておかなくてはならないだろう。
 わたしは安倍氏が射殺されたような事件は「起きるべきではなかった」と思い、一人の人の命が失われたということで悲しい思いをしているが、同じように、54歳で自死された赤木俊夫さんの死も「あまりに悲しい」ことだったと思っている。一方の「死」が、その人物が「元総理大臣」だったからということで「より重い」ということはない。人の「命」に上下の差はない。

 今日は、ウチの近くで咲いていた「ヘブンリーブル―」の花の写真を、亡くなられた方への追悼に載せておきます。

     

 ‥‥ところで、この日は「念願」の「クリームシチュー」を、ついにつくり上げた。「ようやくだね!」というところだ。次は、しばらくつくっていない「カレー」をつくりたいとは思っているのだが。