今日は仕事を終えてから、日比谷の映画館へウェス・アンダーソン監督の『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』という長いタイトルの映画を観に行く。
映画は1時15分上映の回を観るから、それまでに食事をして行こうと。またいつもの日高屋に行って「とんこつラーメン」を食べようかと思ったが、「カツ丼」が食べたくなった。駅前の「富士そば」のカツ丼ではちょっと侘しいというか、少しはゆっくりと食べたいこともあり、あたりの蕎麦屋とかとんかつ屋にしようかと。
前にメトロの出入り口の近くの蕎麦屋で食べたカツ丼はあまりおいしくなかったから、今日は別のところ、駅のそばの商業ビルの中で探してみよう。
いちおう、すぐにそういう蕎麦屋も見つかって中に入り、カツ丼を注文。むむむ、けっこうな値段だったのだけれども、味はイマイチなり。というか、「富士そば」のカツ丼と大差ないではないか?
「カツ丼」といえば、何年か前に千葉市の美術館の近くの蕎麦屋で食べたカツ丼が、何といっても「思い出に残る」美味しさだった。それから、佐倉の歴史民俗博物館に行ったとき、帰りに立ち寄った小さな蕎麦屋さんのカツ丼も美味しかった。ああいう美味しい「カツ丼」にまた巡り会いたいと思っているのだけれども、なかなか夢がかなわない。残念なり。
さて日比谷へ向かう。今までは、けっこう大手町の駅から延々と歩いて行ったものだけれども、さすがに先日誕生日を経て歳を重ね、身体も老化したので、大手町から千代田線で日比谷駅までメトロに乗った。
日比谷到着。日比谷のゴジラは新宿のゴジラより断然小さいが、それでも全身像ではある。
映画館へ行ってチケットを買う。前にも書いたが(映画館に行くたびに書いていることか?)、わたしはこの「COVID-19」禍からしばらくして、自宅で『アウトブレイク』というパンデミック映画を観たのだが、その映画の中でサルから病原ウィルスを伝染された人物が映画館へ行き、映画を観て大笑いしているわけだ。その笑う人物の口からウィルスが誇張されて描かれ、映画館の中の観客に降り注いで皆が感染するのだ。その映画を観たときから、「これからは映画館で映画を観るにしても、ぜったいに最後列を選ぼう!」と、固く誓ったのだった。そういうわけで、この日も「最後列」を選んだ。
さて、映画上映までまだまだ40分ほど時間がある。どうやって時間をつぶそう? いちばんいいのは大きな本屋へ行くことなのだけれども、調べると日比谷というのはまるっきし本屋がない。いちばん近いのはどうやら、有楽町駅前の三省堂みたいだ。むむ、近くない。本屋に行ったらすぐに戻って来なくってはならない感じだ。
そういうのはやめて、あたりを見るとこのあたりにはベンチというか、人が座れるスペースがいっぱいあるのだった。そういうところに座って、サンドイッチとか食べてる人の姿も多い。う~ん、わたしもあんなカツ丼なんか食べないで、サンドイッチとか買って来て、ここで食べればよかったな(次回はそうしよう)。とにかくもわたしもそういうスペースに座って、大岡昇平の『成城だより』を読むのだった。
上映開始時間が迫り、映画館へと取って返す。女性客、特に若い方の姿が目立つ。うん、ウェス・アンダーソンは女性人気が高いのだろう。というか、都心では一般に、映画の観客はそういう女性客が多いのかもしれん。ウチのとなり駅の映画館なんかいつも、こう言っちゃなんだが、ほぼすべての客は(わたしを含めて)シニア料金で観に来てる客ばかりなのだが。
さて映画が終了し、映画の中のヴィジュアルもとっても気に入ったのでパンフを買って外に出る。映画館の前にもうやっている居酒屋があり、「ちょっと一杯やって帰ろうか?」とも思ったが、電車が混み合う時間になるとイヤだし、そもそもニェネントくんに夕食を待たせているのだ。まっすぐに帰路に着く。
自宅駅からの帰り道、「野良ネコ通り」にさしかかろうとしたとき、わたしの前の道をサバトラのネコが横断して行った。このあいだ久しぶりに出会ったコだな、と思う。
急ぎ足でネコのあとを追い、家のあいだを抜けていく後ろ姿を、かろうじて1枚撮影出来た。
帰宅して、ニェネントくんに「お待たせしてゴメンね!」と夕食を出してあげる。
わたしは今日の映画の中で使われていた音楽、シャンタル・ゴヤのベスト盤を持っていたので、それを聴こうとCDプレーヤーにかけるが、またまたプレーヤーはCDを認識しないのだった。
何度やってもダメなので、しょうがないからパソコンにDVDプレーヤーをつなぎ、そこにCDをセットして聴くのだった。
わたしの夕食はお決まりのブロッコリー。今夕は前にもつくった「ブロッコリーと豆腐の中華煮込み」にした。おいしかったなり。