ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2022-01-24(Mon)

 今日はついに、午後いちばんに白内障の手術を受ける。白内障の手術とは要するに、濁ってしまった古い水晶体を取り除き、代わりに人工の水晶体レンズをはめ込むのだという。そういうレンズを人工で造れるというのもスゴいと思うけれども、その手術自体の所要時間も15分とか20分ぐらいで終わってしまうのだという。「日帰り手術」。「白内障」という疾患がとっても多くの人がかかる疾患でもあり、その手術も長い歴史を持ち、広く行われてもいるわけで、まあ安心して医師におまかせできる手術だろう(あれこれ思い悩んでもしょうがないが)。

 しかし、昨日出かけたときに寒さを感じて風邪気味になってしまったのか、朝からくしゃみを連発し、鼻水が出る。体温は平熱だし、朝食べた食事もちゃんと味がしたから、まさか「COVID-19」に感染したということもないとは思うが、ただ、これから眼の手術をするというのに、その眼のすぐ下の鼻から手術中にとか鼻水がダラダラ出たりしていたらそれはマズいだろう。
 なんとか鼻水を止められないものかとネット検索してみると、「温めた濡れタオルで鼻の根元を温めてみるといい」みたいに書かれているのを発見し、やってみた。電子レンジでタオルを温め、それを鼻にあてて寝ているのもアレなので、マスクと鼻とのあいだにその温めたタオルをはさみ込んでみる。
 するとじっさいに鼻水もほとんど止まってしまい、手術を受けるために出かけるときには、朝には鼻水で悩んでいたことも忘れてしまっていた。

 さてさて、眼科医に行って手術を受ける。手術の前に、わたしの要望もある程度聞いてレンズを選んでくれるようでもあり、「今異常のない右目も近視なので、その右目とバランスの取れた視力にしてもらいたい(新しい人工レンズは「人工物」であり、リアルな水晶体のように見る対象に合わせてピントを合わせられないという)」ということ、「今まで左目は乱視があって右目とのバランスが取りにくかったので、改善できないものだろうか?」とかリクエストを出した。
 そしていよいよ手術。全身麻酔などかけるわけではなく、麻酔をかけるのは手術をする左目だけ。それで視覚がなくなるわけではなく、手術の一部始終はすべて目に見えることになる。というか、その「目にしている」目こそを手術するのだ。「臨床体験」とはこのことだ。これがいざじっさいに手術が始まってみると、具体的に手術室の中とか医師の手先、手術器具が見えたりするわけではなく(そもそも手術する左目はもともと視力がはげしく落ちていたわけだし)、ちょっとばかり「光の洪水」に身を浸すという感覚で、「な、な、な、何だコレは。『2001年宇宙の旅』のあのトリップ場面」のシーンの実体験ではないのか、てな感じもする。もちろん、映画『2001年宇宙の旅』のようなハイスピードで光が視界を満たしてしまうというのではなく、視野の中心に眼を強い白色光で照らしたような明るい部分があり、その周囲が赤く染まっているような不定形の色彩におおわれている、といえばいいのか。
 まるでモノのかたちなど見えないのだけれども、手術も後半になると思われるころ、眼の端に半透明でクラゲのような模様のある円形の物体が見えた。「なんだろう? 面白い形だ」とつい目でその物質を追ってしまったら、執刀医先生に「キョロキョロしないでね!」と叱られてしまった。どうもあのクラゲ状の物体が、つまりは「新しく眼に入れられた人工レンズ」だったのではないか、とは思った。

 感覚的には20分ぐらいで、ほぼ痛みも感じないまま手術は終了。左目はしっかりとテープの眼帯で封印され、この眼帯は明日の午前中に通院して取り外してもらうまで付けたまま。
 「痛みはありますか?」と聞かれたが、まるでそういう痛みはない。執刀医の先生も「スムーズに行きましたよ」とおっしゃっていた。

 調剤薬局で「痛みが出たときのための」痛み止め内服薬、明日からの目薬などを調剤してもらい、もうあとは帰宅して、さっさと夕食をとって寝てしまえばいいのだけれども、やはりこんな眼帯の状態で「自炊」などしたくないし、すぐそばのデパートの「デパ地下」で、ちょっと安くなっていた中華の店のお弁当を買って帰った(もちろん、美味しかった)。
 帰り道、「野良ネコ通り」を通って帰ったのだが、途中、いつもはネコの姿を見ることもない畑の向こうに、今まで出会ったことのない2匹のネコの姿を見た。あわててバッグからカメラを取り出したけれども、何とか一方のネコの後ろ姿だけを撮れた。まだまだ、この「野良ネコ通り」には、わたしが出会ったことのないネコたちが暮らしているのだろうな。

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 新顔のネコを撮り損ねたので、ちょうど近くで飛び立ったカラスの飛翔する姿を撮ってみた。こうして見ると、カラスの飛ぶ姿もちょっとカッコいいのだ。

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 帰宅して、「あの手術のときの視覚体験はなかなかに面白かったな」と思って、そのあたり、白内障手術を受けた人の数も多いわけだから、他の人の「体験談」とか書かれているかもしれないと検索してみたが、そういう「手術時の視覚体験」、人それぞれ異なるモノが見られるようだ。もっと原色にあふれたような感じだった人とか、「オーロラみたいだった」というような人とか。う~ん、わたしの体験はけっこう「地味」だったのかもしれないな。