ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-12-02(Thu)

 先日Amazonで「Newsweek」の最新号を注文したのだが、そのときの表示で「12月2日配達予定」となっていたはずなのだが、今日見ると、配達予定日が12月9日になっていた。
 それはお話にならないというか、もう「Newsweek」の次の号が発売になっている日にちだ。それなら近所の本屋で買う方がいいではないか。当然というか、キャンセルのリクエストを出した。

 今朝も寒かったが、いい天気だった。仕事先に向かうときにいちばん気になっていたのは、昨日の朝の「大雨」で職場の前の車道にあふれていた「落ち葉」がどうなっているか、ということだった。まあ昨朝の落ち葉の状態がそのまま残っていれば、わたしたちはこの日、そんな落ち葉の山を車道から撤去しなければならないだろう。
 それが職場に近づいてみると、車道はまったくきれいで、昨日の「落ち葉」など、そのかけらも残っていないのだった。まさか昨日は昼から晴天になったせいで、車道の落ち葉が乾燥してどこかに飛んで行ってしまったとは思えない。あり得ないことだ。
 思ったのだが、昨日の車道の「落ち葉」の堆積は大量で、放置すれば交通事故をも誘発する可能性もあっただろうということで、つまりはこれは都の「交通局」だとか、それとも区のはたらきで、昨日のうちに車道に堆積していた「落ち葉」を、巡回して撤去したのだろうと想像した。あまりに車道がきれいになっていたので、そうとしか考えられない。けっこうそういう「有事」の機動力というのはしっかりしてるものだなあと、感心したのだった。

 このところ、「野良ネコ通り」でネコの姿を見かけなくなっていたのだけれども(先日見かけたグレーの子ネコはその後姿を見かけない。「かわいい子ネコ」だったから、誰かが見染めて「このコはウチで飼おう」とか連れ帰ってくれていればいいのだが)、久々に「野良ネコ通り」の常連のハナクロくんに出会った。いつもの駐車場の車の屋根の上で、いつものように気もち良さそうにまどろんでおられた。ハナクロくんに出会えると、わたしも気分が良くなり元気が出る。

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 読んでいたシャーリイ・ジャクスンの『絞首人』を読み終えたのだけれども、読み終えていろいろと調べていたらちょっと気になることも出てきてしまい、今「もういちど読み直そうか」と思っている。並行して読んでいるパトリシア・ハイスミスの短篇集『ゴルフコースの人魚たち』、今日は三つ目の「事件の起きる場所」というのを読んだ。
 主人公は駆け出しのフリーの報道カメラマンだが、「武装犯による市バス襲撃」という知らせを聞き、取材に出る。しかし肝心のときにトイレに行きたくなってしまい、トイレから戻って状況もわからないままに(そのときには事件は解決してしまっていたようだ)適当に写真を撮る。「どうせダメだろう」と思いながらも写真を新聞社に持ち込んでみるが、担当は「これは特ダネだ!」と絶賛する。実はそこに写っていたのは、武装犯に拉致されていたあとに逃れ、家族のところに駆け寄ろうとしている若い女性の写真だった。もちろん主人公のカメラマンはそんなこと知らずにシャッターを切っていたのだが、写真は新聞のトップを飾って評判を呼ぶ。ついにはその写真はその年のピューリッツァー賞まで受賞し、アメリカ各地から呼ばれて講演をおこない、名が広まる。
 実は被写体になった女性のその後の話も流通し、婚約者との婚約を破棄したなどとの話が伝わる。
 主人公はじっさいのところは「何が何だかわからずに偶然撮った写真」だったなどとは決して言わず、そこに「大いなる偶然」、「神の意志」があったかのごとくに講演で語り、そのこともまた評判を呼ぶ。主人公はしばらくあとに「被写体の女性」と会うが、彼女もまた「事件」を彼女のステップアップに利用していたのではないか、というところがある(彼女は事件を機に「モデル」への道を歩み始めている)。
 主人公はこの「事件」のことを本にして、それもまたベストセラーになる。彼は「ここに自分の天職がある」と、社会の裏側、貧しい人々、虐げられた動物の写真を撮るようになり、そこに「神と正義とのあいだで揺れる内面的葛藤を反映したキャプションを添える技術を磨くようになる。彼は「名士」になった。
 主人公は、そんな自分のジャーナリストとしての才能とはまったく無関係のところでまずは注目されるのだけれども、そこをとっかかりにして「上昇」することができたのだから、それはやはりそういう面での「才能」はあったのだろう。そして彼は、その「きっかけ」から逆に、自分のジャーナリストとしての生き方を形成することになる。それは被写体になった女性にも言えることだろうけれども、とってもアイロニカルな視点を持つ短篇として面白かった。

 夜寝る前は『鳥の生活』を読み、この夜は「鳥の囀り(さえずり)」についての章を読んだ。鳥のさえずりの「発声」のしくみは人類などとはまったく異なっていて、のどの「声帯」にたよって発声しているのではないと。そして、ある種の鳥はふたつの「さえずり」を同時に発声できるのだという。サプライズ!