台風14号は、今夜あたりに北九州に上陸し、そのまま新幹線コースよりちょっと南寄りのコースで四国から紀伊半島をまさに横断して抜け、日曜日の朝とかに関東の南の海上を通過するとかいう。このあたりにあまり影響がなければいいけれども、まあやはり雨はそれなりに降りそうだ。
いくら何でもまだ今朝はそんな台風の影響とかもなくって空も晴れていて、わたしが出勤で駅に行くとき、いくらかなりと東の空は明るくなり始めていた。うん、明日からはわたしも3連休だから、次に来週の火曜日に仕事に出るときには、もうこういう「明るみ」も見られないのではないかと思う。これが今年ラストの「早朝の空の明るみ」だろうか。これからは毎日、月や星を眺めながら駅への道を歩くことになる。
職場では同僚とか職場の人らと、やはり土曜日に来る台風の話をする。相変わらずやるべき仕事もあまりなく、まあ明日からは3連休になるので丁寧にはやったけれども、「ちゃっちゃっ」という感じではあった。
仕事の帰りに、時間があったので久しぶりに「古本量販店」のBook・Offに寄ってみた。いつの間にか、3階にあったDVDとかが1階で売られるようになってしまっていて、逆に文学書は上の階に移動されていた。この「COVID-19禍」でDVDとかの売り上げが伸びている、というのがあっての「配置換え」なのだろう。
「海外文学」のコーナーに行ってみると、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』の下巻の方だけが棚にあった。実はわたしは1年以上前、この店でその『薔薇の名前』の上巻だけが売られていたのを買って持っている。「そのうちに下巻も買わなくっちゃな」と思っていたのが、上巻を買ったのと同じ店で下巻も売られていたもので、ついつい(あまり考えないで)買ってしまった。
買ったあとに駅のホームで「あれ? Amazonとかで買った方が安かったかな?」とか思って、スマホでチェックすると、案の定Amazonで買った方が500円ぐらい安いのだった。ま、「失敗の巻」である。
『薔薇の名前』はもちろん昔読んでいるけれども、面白いというのではこんなに面白い本もない。またヒマをみつけて読んでみたいのだ。
今は通勤時に薄い文庫本の中井正一著の『美学入門』という本を読んでいたのだけれども、帰りの電車の中で読み終えた。
今日は帰っても食事の準備もしていないし、このところあまりにつつましい食生活をつづけている気もするので、外食するのではなく、ちょっと豪華なお弁当でも買って帰ろうかとひとつ手前の駅で降り、この日はいつものスーパーやデパ地下へ行くのではなく、駅に近い「成城石井」に行ってみた。するとちょうどお弁当などに値引きのシールを貼っているところで、そこでわたしはまた「貧乏根性」を出してしまい、そのお弁当を本当に食べたいかなどあまり考えずに、「20パーセント引き」のシールの貼られた「タイ風カレー炒めご飯」というのを買ってしまった。台風がやって来るから「タイ風」かよ?と。
帰り道、跨線橋の上から空を見上げると、もう雲が太陽を隠すようになっていた。この雲がこのあとはだんだんに暗くなってくるのだろう。そうするともう、この写真のように雲の向こうに太陽が輝いている、というような空ではなくなってしまうだろう。
帰宅すると、Amazonに注文してあった本『オーデュボンの鳥』が郵便受けに届いていた。
わたしはこういう廉価版の本(画集)が発売されていたことを知らなかったのだけれども、画集としては小さいとはいえ、約200ページ、150点の図版がすべてカラーだというに、相当に安い価格ではあった。
わたしはオーデュボンのことにそれほど詳しいわけではないけれども、「鳥を描いた画集」としてこれほどに素晴らしいものはない。それはオーデュボンの描画技術が優れているということを超えて、まずは描いた鳥への「愛情」が絵からにじみ出ているわけだ。
じっさいの「アメリカの鳥類」という本は、書籍としては破格の「大判」なわけだけれども、手賀沼沿いにある「鳥の博物館」の壁面には、多数のその「アメリカの鳥類」の実物大レプリカが展示してあるのだった。その博物館で「すばらしい絵だなあ」と眺めていたのが、いくら小さいとはいえ、その複製が手元に届いたのだ。うれしい。
下の絵は、今は絶滅してしまった「オオウミガラス」である。おそらくオーデュボンはじっさいに、生きた「オオウミガラス」を目にしていたのだろう。
北大西洋に何百万羽と群れていたオオウミガラスは、19世紀のうちに人間の乱獲によって絶滅させられた。マダガスカルのドードーと並んで、人類に絶滅させられた多くの動物の代表格のように有名な鳥類だけれども、ひとつ間違えば南半球のペンギン類もまた、オオウミガラスと同じ運命をたどったかもしれないのだった。
買って帰った「タイ風カレー炒めご飯」をレンジでチンして昼食にしたが、「いや、こういうのを食べたいわけではなかったなあ」と後悔したのだった。ここで深く、「20パーセント引き」とかいうとすぐに飛びついてしまう自分の吝嗇さを、自分で責めるのだった。
さて、とにかくは明日からは3連休。そのあとも2日仕事に出れば1日おきの休日がある。明日は台風が来襲しそうなのが残念だけれども、このところわたしは土曜日には一歩も外に出ないことが多いので、そこまでに気になることでもない。
でもせっかくの連休だから、何か普段やらないこと、出来ないことをやりたいものだ。う~ん、けっきょく本を読んで、DVDを観て、酒を飲んで終わってしまうのだろうか。昨日観た「The Seventh Continent」の感想でもゆっくりと書こうか。