ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-05-08(Sat)

 歯医者にはもう、これからずっと金曜日の午後4時からの診察・治療と決まってしまったようだ。この頃はもう、「ちゃっ、ちゃっ」と治療も終わってしまい、昨日の治療も10分ほどで終わってしまい、「もう終わり?」と、(「もっと痛い目に遭わせてくれてもいいよ」という)わたしのマゾヒズム気分も空振りに終わってしまう。
 先生が、終わったあと「右上の歯の治療は次回で終わるでしょう」と言われた。まだまだ、左上も右下も左下も残っているので、「はたしてこの年内に全部の治療が終わるかどうか?」というところではないかとも思ってしまう。しかし、また新しい工事個所の工事を始めるしょっぱなはきっと、またものすごく痛いことだろう。

 今日はずっと部屋にこもって、『ジェイムズ・ジョイス伝』を一心不乱(でもないが)に読んだ。これだけ家で読書に熱中したというのも、もういつ以来のことになるのか記憶にない。しかし、A5版2段組みの本をちゃっちゃっと読み進めるのは容易なことではない。内容の密度も濃いし、すぐに巻末の(原注)を参照しなければならない。まあ『ナボコフ伝』を読んだときのように、原注などぜんぶすっ飛ばして読み進めてもいいのだけれども、今回は「ほう!」ということが原注にけっこう書かれてはいるのだ。
 必死で読んだつもりだが、一日かけてわずか60ページほどしか読み進められなかった。これからはこ~んなに熱中して読む機会もあまりないだろうから、読み終えるのはいつごろになることか?
 まあ今のところはまだジョイスもローティーンの段階。それでもジョイスは「優等生」で、奨学金を何度もゲットするわけだ。ジョイスが知り合った人たちは、たいていは後の『ダブリンの人びと』や『ユリシーズ』に名前を変えて(名前を変えないときもある)登場することになる。そうするとこの伝記を読んだあと、また『ダブリンの人びと』や『ユリシーズ』を読み直したくなってしまうではないか。

 そうやって、いちにちじゅうリヴィングで(ときどき和室のベッドで)読書していると、ニェネントは自分勝手に引きこもるわけでもなく、ず~っとわたしと同じ部屋にいて、わたしのけっこう近くでまどろんでいた。わたしがリヴィングにいるときはリヴィングの窓際に、わたしが和室のベッドに移動するとすぐについてきて、キャットタワーの上で丸くなるのだ。「愛おしい」とは、こういうニェネントのことを言う。

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 日が暮れた頃、ニェネントはキャットタワーのいちばん上でじ~っと外を眺めていた。キャットタワーの前には窓があるのだけれども、キャットタワーの上からニェネントが外を見られるように、そこのところはカーテンがかぶさらないようにしてある。
 今日もまたニェネントが外を見ているので、わたしもうしろからニェネントの見ている方向を見て「何が見えるの?」と聞いてみた。わたしには離れたところの家の屋根、そしてウチの前の空き地、空き地に放置された廃車しか見えない。
 ニェネントの背中にさわるとニェネントは「にゃ~」とないて答えて、それは「わたしは今、この世界の未来を見てるんよ」と言っているんだと思った。どんな未来が見えるのか、ニェネントはそれ以上は教えてはくれないが、まああんまり「明るい未来」ではないことだろう。

 わたしは政府や都が進めようとしている<緊急事態宣言>にすなおにしたがう気もなく、この連休にはあちこち「お出かけ」したのだが、しばらく前に書いたように、意外と「この地域はヤバい」と思うのは、となりの駅前の雑踏だったり、いつも買い物に行くスーパーの店内だったりする。それはまさに「自分の生活圏」のことではあり、逆に生活圏から離れたところの、東京でも「盛り場」「繁華街」でもないところは、ほとんど人とすれちがうこともなく、それこそスカ首相の言う「安心、安全」な散策を楽しんだ。
 わたしはやはり、結果として今までの「Stay Home」の継続ではないにしても、ある程度「外出」には気をつかわないといけないな、とは思ったが、それは例えば小池都知事が言うように「不要不急」の外出をやめ、最低限の近隣での「お買い物」をやっていれば安全というものではない。思ったのは、買い物とかも「近場」ですませるのがベター、というのではなく、昼間の電車とかはけっこう空いてもいるわけだし、「人が混み合わないところでのショッピング」ということを考える方がいいだろうよ。近隣でも、「あそこのスーパーはこの時間帯は混み合っている」とかいうデータベースを、自分の中で蓄積すべきなのだ。悪いけれども、近隣のスーパーマーケットなどでは、店によってソーシャル・ディスタンスを守る人が少なかったりするケースが多い。そういうんだったら、ある面で電車に乗って離れたところの商店街で買い物をした方がいいよね、ということもあるのではないか。

 今日はほんとうはまた「ふるさと公園」に歩いて行って、コブハクチョウの家族を見てみたいな、という気もちもあったのだけれども、そういうことは明日にしよう。