ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2021-03-29(Mon)

 前から予報でもこの日は暑くなると言われていた。仕事に出るときもすっごい久しぶりにいつものパーカーを着ないで、薄手のジャケットで家を出た。さすがに陽の上る前はまだ気温も低いので、ある程度は着重ねしないとまだ寒い。
 勤め先に着いてみると、もう桜の花びらが歩道に散っていた。「ついに始まったか」という感覚だが、おそらく今ぐらいが桜も満開、最高潮なのではないだろうか。散った花びらはまだまだ、皆で歩道の掃除をするというほどでもないけれども、今週末から来週にかけてきっと、たいへんな量の散った花びらで道路が埋め尽くされることになるのだろう(去年の桜の季節はわたしは入院してたから、掃除はやらなかったのだった)。

 毎週月曜日はこのところ、仕事からの帰りに駅の南のドラッグストアへと買い物に行き、そのまま「ふるさと公園」の中を通って帰宅することにしている。気温はたしかに高くなっているけれども、先々週あたりの方がもっと暑い日があったように思った(この日、本格的に暑くなったのは帰宅してしばらくしてからだった)。

 この日の「ふるさと公園」の野鳥の顔ぶれは、おととい来たときとだいたい同じ。カモたちとオオバン、そしてコブハクチョウとシラサギたち。この日は最近ずっと一羽きりだったコブハクチョウに仲間が来ていて、二羽のハクチョウの姿が同時に見られた。

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 このカモは、頭のてっぺんが茶色いから「ヨシガモ」だろうか。おそらくは一方はメスで、まだ若いみたいだ。「仲睦まじい若夫婦」という感じ。

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 「ふるさと公園」も今が桜も真っ盛りで、歩道にはもうけっこう花びらが散っていた。

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 帰宅してしばらくして「暑いなあ」という感じになってきて、テレビを見ていると東京で25度を越え、「夏日」になったという。わたしも着替えをして、この日はあとはずっと半袖Tシャツ1枚ですごした。

 報道を見ていると、ミャンマーの軍事政権による民衆への弾圧が常軌を逸した段階になっているという。武器など持たない民衆のデモに向かって国軍が発砲するだけでも異常だが、デモに参加していない人々もとつぜん発砲されたりし、子どもの死者も出ているという。「国の軍隊」がその銃を「国民」に向けるという、怖ろしい事態になっている。昨日はミャンマー国内で140人以上の死者が出たというし、まさに「恐怖政治」が始まっている。いったいこの事態、どのような形でか収束を迎えるのか、それとも、もっとこのような事態が拡大するのか。わたしはニュースを見て心を痛めることしかできない。

 一方で国内では、どんどんCOVID-19の新規感染者が増加するなか、25日から例の<聖火リレー>がスタートしている。この映像を先日目にしたけれども、コレは明らかに異様な情景というか、「おかしいだろ!」と思わない方が不思議なのだが、まず映像を見なくっても、そのコンセプトが矛盾していることはわかるだろう。
 この<聖火リレー>、福島県から開始されているのだけれども、コレはそもそも、安倍前政権が予定される東京オリンピックを<復興五輪>と位置づけ、「原発事故の影響はアンダーコントロールにある」という<大ウソ>をアピールするために<福島>からスタートしたわけで、誰もが「原発事故の影響はアンダーコントロールにある」など信じないし、そもそも今ではもう、今回予定のオリンピックを誰も<復興五輪>などとは言わないわけだ。このあいだまではスカ首相は「人類がコロナに打ち克った証」としての五輪なのだと、何度も何度も何度も何度も繰り返してしゃべくっていたわけだが、こちらのスローガンもまた、「どこで打ち克ってるのだ」という空気がいつまでも濃厚で、今になってまた「人類がコロナに打ち克った証」などと言えば、<復興五輪>以上の「ウソ」だろう。
 この<聖火リレー>、つまりはオリンピック開催に向けて世界や日本国内での機運を盛り上げ、高揚させようという意図もあるのだろうと、少しは組織委員会の気もちを汲んであげてみるのだけれども、ところがじっさいには「COVID-19禍」のもと、「沿道が<密>にならないようにして下さい(つまり、あんまり来ないでね!)」とか、「見に行くなら自宅の近くだけにして下さい(つまり、あんまり来ないでね!)」とか、「マスクはちゃんと着用して、歓声をあげないで拍手で声援して下さい」「飲食はしないで下さい」とかの要望があるらしい。

 で、じっさいのリレーの映像だけれども、コレはかなり強烈!というか、まずは何台も何台も何台も何台も、スポンサー企業の宣伝カーとかバスがゆっくりと走り過ぎ、それと並走して企業スタッフが沿道の観客に手を振ったり、なんかグッズを手渡したりしてる。宣伝カーの上には派手な身なりのDJというのか、がなり立てているヤツがいる。NTTの車もあるし(笑)、コカ・コーラの宣伝カーなんかカーニヴァルみたいやね。そのあとにようやく、チラリと聖火トーチを持ったランナーらが走って来るのね。
 ‥‥けっきょくこの<聖火リレー>なるもの、「オリンピック」というイヴェントとは何の関係もなく、ただスポンサーとIOCのためのイヴェントではないのか。ネット上では「茶番」との声があふれ(わたしも「茶番」としか思えない)、ついにはアメリカのNBCニュースも、オレゴン州パシフィック大学政治学教授のジュールズ・ボイコフ氏によるコメントとして「偽善で、害悪で、バカげている」としたのであった。その通りだろう。

 ところがところが、この日のテレビを見ていると、NHKはもちろんとして、民放各社の報道バラエティ番組でも皆、声をそろえて<聖火リレー>を「希望を与えてくれる」との賛美一色である。
 わたしは映像としてその<聖火リレー>を見た人が、どうやったら賛美できるのか不思議に思うのだが、これはもう当然、上司からの指示によるものだろう。
 まあもともとテレビではオリパラ開催に疑問を呈するような声は聞かれなかったのだけれども、じっさいにこのような「醜い」<聖火リレー>を目のあたりにしてなおコレを賛美するとは、いくら「上司からの指示」とはいえ、人間としての<たましい>を売り渡してしまっているのではないだろうかと思う。
 どうやら今の情況では、例えCOVID-19がまん延して何千、何万もの感染者が出ようとも、けっきょく<東京オリンピックパラリンピック>を強行するのが日本という国、ということになりそうだ。絶望的な気分にはなるが、絶望するにはまだ早い。