ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話』@両国・江戸東京博物館

 このCOVID-19禍の下、ドイツは日本よりよほど大事(おおごと)だったろうけれども、そんな中で、これだけの考古学的にも重要だろう美術品を海外に送り出されるというのは大変なことだったと思う。それを実現した国立ベルリン・エジプト博物館のスタッフの方々、そして日本側の江戸東京博物館その他の関係者、スタッフの方々の尽力に、まずは敬意と感謝の気もちを捧げたいと思います。ある意味で、こういうことこそがスカ首相の口癖の「コロナに打ち克った証」なのだと言うことも出来るのでは、とも思う。

 会場内はすべての展示品が撮影可だった(なぜか、日本が製作した解説のアニメだけは撮影不可だったのよね。わたしはろくすっぽ見なかったけれども)。
 展示はプロローグの「すべては海から始まった」(展示は魚を描いたお皿1点だけだけれども)から始まり、
1.天地創造と神々の世界
2.ファラオと宇宙の秩序
3.死後の審判
と区分けされ、エピローグに「オシリスの予言」が来るという構成だったのだが、実はわたしはそういう展示の大きな解説は読まず、「そういうのはあとで図録を買って読めばいい」みたいな気分スルーした。いけない観客だ。

 やはりわたしが感銘を受けたのは、このネフェルティティの頭部(正確な展示タイトルは「ネフェルトイティ(ネフェルティティ)王妃あるいは王女メリトアテンの頭部)だった。頬骨の隆起がいかにも美しくもリアルだ。

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 そして、「素晴らしい!」と思ったのが、この「トゥトアンクアメン(ツタンカーメン)王の前で腰をかがめる廷臣たちのレリーフ」。この微妙に形に変化をつけ、動きを感じさせながらも美しいレリーフに、わたしは心を奪われた。これは近代~現代の美術作品でもわたしが感じることのない「美しさ」だ。

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 今回展示されていた猫の神バステト像はこれ。なぜ古代エジプトの猫像は皆、ここまでに神々しい猫なのだろうか。

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 他にも「これは」という逸品の並ぶ、すばらしい展覧会だった。可能ならば購入した図録を読んだあとに、もういちど訪れたい展覧会ではあるけれども、それはちょっと無理だろうか?(予定ではこのあとこの展覧会は京都に巡回し、そのあとは静岡、状況が許せば八王子にも巡回するらしい。八王子はなかなか交通の便のよろしくないところのようだけれども、静岡に行くというのもいい考えかもしれない!)。