ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-11-25(Wed)

 先日ネットで、金井美恵子の『重箱の隅から』というコラムを通読して面白かったので、「そういえば金井美恵子には『重箱のすみ』という本もあったな」と思い出し、先週注文してあったのが届いていた。短かいエッセイ、コラムがい~っぱい掲載されていて、楽しみにして昨日から通勤電車で読みはじめた。
 ところが、これがいっこうに面白くない。今の「COVID-19禍」の世界からみると、この1990年代後期の世の中が太平にみえてしまうからかとも思ったけれども、どうもそもそも金井美恵子の文章がキレが悪いというか、このあとの『目白雑録』の過激さ、毒舌がない。まあいろいろな媒体に書いた文章の寄せ集めで、そういう媒体ではあまり「口の悪いこと」も書けなかったということもあるのだろう。それにしても、近所のスーパーマーケットへの買い物を書いた小文で、そのスーパーに並べられている品物を入り口のところからずらずらと二十も三十も書いていくのは、「それは原稿の文字数稼ぎだろう?」みたいな感じで(いや、まさに「重箱のすみをつつく」文章なのかもしれない)、面白くもなんともない。「これは(悪いけれども)読むに堪えられないや」と(金井美恵子のファンなのに)思ってしまい、この本はもう今日で読むのをやめることにした。
 やはりナボコフがいい。明日からはナボコフの『透明な対象』を読むことにしようと決めた。

 それで今日は、(金井美恵子の本の影響で?)わたしも仕事の帰りにスーパーマーケットに寄り道して買い物することにした。北の方にある、ウチからいちばん遠いところにあるスーパーは、ウチから歩いても20分ぐらいかかるし、このところすっかり足が遠のいてしまっているのだけれども、安いものは安いスーパーなのだ。
 帰るとき、自宅駅から普段は歩かない北へ北へという道を行けば、きっとそのさいはてのスーパーに行けるのではないかと思って歩いた。特にマップを見て経路をたしかめたわけではないので不安もあったが、今まで歩いたことのない道を歩くというのは、(たとえ道に迷ってしまっても)楽しいものではある。道沿いにバラの花も咲いているではないか。

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 しばらく歩いて、ちょっとばかし不安にもなりはじめたころ、思いがけずも目的地のスーパーのすぐ横にたどり着いていた。「おおっ!」と声を出しそうになってしまった。
 ま、買いたかったのは「食パン」とかぐらいのもので「行かなくっちゃ!」みたいな逼迫したものではなかったのだけれども、こうやって仕事の帰りに歩いて行けることがわかれば、以後の行動が変わってくる。今日は昼飯に急に納豆が食べたくなったので買って帰る。「買い物は仕事の帰りにやろう」ということが定着すると、「今食べたいもの」を買って帰り、すぐに昼食で食べるということができるではないか(いつも仕事の帰りに立ち寄る小さなスーパーは「野菜」がメインなので、「すぐにおかずになる」というものはあまり置かれてないのだ)。
 そのスーパーからウチへの帰路のとちゅうには、いつも買い物するスーパーもあるわけで、そっちにも寄り道。駅から歩く距離はかなりあるけれども、それでもウチからその2軒のスーパーに出かけるよりは、それなりに時間の節約になるのである。

 家にたどり着くと、駅からまっすぐに帰宅するよりも40分ぐらいは余計に時間がかかってしまったけれども、ま、スーパー店内をまわっている時間もあるからこんなものだろう。
 テレビをつけるとちょうど「国会中継」が始まったところで、買って帰ったところの納豆をご飯にぶっかけて昼食にしながら、中継を見る。

 まだ「日本学術会議」の問題だって片付いたわけではないのだけれども、今日のメインテーマは、安倍元首相の「桜を見る会」前夜祭の会計処理の問題である。東京地検特捜部の調べで、安倍元首相が当時の国会で「ウソ」の答弁をしていたことが明白になり、そのとき官房長官だった今の菅首相も、アベッチといっしょになってアベッチをフォローする「ウソ」をついていたわけだから、質問する立憲民主党の議員はそのことを追及するのだ。
 ところがここでまたスガッチは、「針飛びして同じところをリピートするレコード」みたいに、「現在捜査中のことであり、答弁は差し控えさせていただきます」ということばを繰り返すのである。しかも立憲民主党の議員が質問中にも、スガッチの秘書官だか政務次官だかがスガッチのところに話しかけに行ったりメモを渡そうと繰り返したらしく(テレビの映像では映らない)、立憲民主党の議員は「(秘書官だとかに)あなたは出て来ないで下さい」と怒るのである。

 この国会でスガ首相は何度も何度も何度も「答弁を差し控えさせていただく」ということばを繰り返すばかりだ。Wikipediaで「国会」を検索すると、以下のように書かれている。

日本国憲法において、国会は「国権の最高機関」であって、「国の唯一の立法機関」と位置づけられている(憲法41条)。また、「国民の代表機関」としての性格も有する。

 そんな、「国民の代表機関」としての「国会」の審議の場で、「日本の内閣の首長」である「総理大臣」が、何も答弁できないということがいかに異常なことであることか。前総理大臣の安倍晋三は「呼吸するように嘘をつく」人物だったが、現総理大臣の菅義偉は、「呼吸できないぐらいに何も答弁できない」のである。これが民主主義国家としていかに<異常>なことであることか。ただ呆れていては、わたしたちの生活が壊されてしまうのである。

 もうひとつ、スガ首相お得意の「針飛びして同じところをリピートするレコード」に、「世界がコロナウィルスに打ち勝った証として東京オリンピックを開催する」というのがあるのだけれども、このセリフは今日も午前中に語っていたらしい。それで面白いのは、先週末から<唐突に>政府が「Go To キャンペーン」の大幅な見直しを始めたというのは、実は誰かが(誰かはわからないが)「今のままではオリンピックの開催はできなくなりますよ」と注進したせいなのだということだ。
 つまり、今のスガ内閣にとって、「来年オリンピック・パラリンピックを開催する」というのは「至上目的」なのだということ。そもそも「Go To キャンペーン」というのはオリパラ開催時に来日観光客を「動かす」というシュミレーション的性格もあり、あえて今、旅行業界や飲食業界の立ち直りを期待するのもそのあたりに理由があるのだろう。ところが、良かれと思って実行させた「Go To キャンペーン」がCOVID-19ウィルスを日本中にばら撒くことにはたらいてしまった。
 なんかもう、今の日本は「来年オリパラを開催した~い!」という一部連中の<妄想>で壊れようとしているみたいだ。

 さて今夕の夕食は、先日買ってある「厚揚げ」の残りと、いっぱいあるトマトとを使って、「トマトと厚揚げのオイスターソース炒め」というのをやってみた。国籍不明料理だが、出来てみるとトマトの酸っぱさが効いて「イタリアン」風な、「中華」風な(ちょっと「酢豚」風な味?)、いい味に仕上がった(と思う)。

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