ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-10-14(Wed)

 朝、というかまだ外は真っ暗な未明どきに目が覚めると、「面白い夢をみていたな」ということがよくあり、そのときにはその夢のことを何となく憶えているのだけれども、それで起き出してあれこれと朝のルーチンワークをやっているうちに、み~んな忘れてしまう。まあそういう夢を記憶していたからといって、わたしの人生が豊かになるとかそういうわけでもないのだけれども、「人は生きていてその過程でいっぱい忘却していくことがあるのだ」ということを、このくらい如実に認識させてくれることがらもないだろうとは思う。こうやって、失せていった「夢の記憶」とは、いったいどこへ行ってしまうのだろうか? わたしが地上での「生」を終えたあと、もういちど死後の世界の「おさらい」で、「あなたはこんな夢を見ていたのだよ」と復習させられたりするのだろうか。いやいや、そういうのはまっぴらごめんだなあ。

 アラームで起こされて朝の出勤の準備をして、テレビをつけてテレビを見る。この時間のNHKなどは前の週の「ダーウィンが来た!」とかの再放送とか、イメージ映像的なものを流しているのだけれども、4時半を過ぎるとそのあたりから「新しい一日」の本放送が始まるというか、その前にまた短いイメージ映像が流される。そこに日によって「ネコ」の映像がつづいて放映されることもあり、その映像はもう何年も前からおんなじ映像のリピートなのだけれども、その中にちょこっとだけ、ものすごくニェネントにそっくりなネコが登場する。まあニェネントも由緒正しい血統の純正ネコ(「純正ネコ」って何だよ!)の血をダイレクトにひいているわけで、こういうところにニェネントそっくりのネコが登場しても不思議ではないのだけれども、見ていると「しっかし、よく似てるな~」と、毎回思ってしまう。まさにニェネントも、「シャムの王家の血統の高貴なネコ」ではあるだろうか?

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 今日は寒い、というからジャケットをはおって仕事に出た。ずっと曇天で暖かくはない。帰路でも、「野良ネコ通り」で誰にも出会うこともなかった。まあ「つまらない一日」だ。

 帰宅すると、郵便受けに損保会社からの書類が届いていた。開けてみるとつまり、今回の(昨年末からの)「事故~それ以後の後遺症(「慢性硬膜下血腫」)発症~入院・手術~療養」の保障・損害賠償金の提示なのだった。
 わたしはまあ労災で基本的なだいたいのところは補償されていたし、「損害賠償保険」でもプラスしていくらか提示されればいいな、ぐらいの気もちだったわけだけれども(いやいや、内心では多少でも「慰謝料」とか出ればいいな、という気もちはありましたが)、提示された額はわたしの想像をかなり越える額ではありました。「ちょっと狂喜」というか、「どういたしましょうか」という感じでもある(いや、そこまでの金額ではないけれども)。
 これは無理すれば日本を飛び出して海外でやっていける資金にもなるというか、わたしゃそういう乱暴なことは得意だから、今や「住みにくい国」になってしまったこの日本から飛び出して、まあアメリカとかヨーロッパは無理としても、太平洋のど真ん中の島とかに、中島敦(彼は「やってられん」と思ったみたいだけれども)とかスティーヴンソンとかみたいに暮らせるのではないかと、いっしゅん思ってしまった。
 いや、誰もが「そんな非現実的な」と思うだろうけれども、わたしはそういう生き方はできる種類の人間である。飛び立てばその先は自ずからやってくる。むむ、やってみたい、とは思ったのだけれども、しかしわたしには今、ニェネントとの生活がある。ぽ~んと飛び出してしまって、自分一人ならばどんな苦境も辛抱できる自信はあるけれども、そこにニェネントをつき合わせるわけにはいかないだろう。
 このことは真剣にしばらく考えたけれども、やはりニェネントにそういう生活をさせるわけにはいかないという結論になった。この「慰謝料」は、これからのニェネントの幸せな生活のために役立てようと思うことになった(わたしにもちょっと「おすそ分け」を!)。