ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-09-15(Tue)

 昨日の朝は曇天で真っ暗、真夜中のようだったけれども、今朝の同じ時刻は昨日のような厚い雲はなく、日の出前の薄明の空を見ることができた。しかし、雲はかなり拡がっている。

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 帰り道、道沿いの草むらに蝶が飛んでいたので、写真に撮ろうとした。しばらくカメラを構えていると草の葉にとまったりして、「シャッターチャンス!」と思うのだが、ピントを合わせたりしているうちにまた飛び立ってしまう。鳥や蝶、飛び回って動き回る動物を写真に撮るのはむずかしい。
 なかなかチャンスが来ないのであきらめて行こうと思ったところで、その蝶が急にわたしに近いところに飛んできて、わたしの足元近くの小さな草にとまった。「撮ってもいいよ」と言われているようだった。ヒメアカタテハである。

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 ウチのそばに来たとき、2羽のハトがくっついて何かやっていた。仲良さそうだったのでカメラを向けると、「いや~ん」と離れてしまった。鳥の写真はむずかしい。

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 ウチに帰って、「ニェネントくんはどこかな?」と見渡すと、わたしのベッドの上でくつろいでいるところだった。ニェネントはあまり動かないので、撮影はかんたんではある。

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 黒沢清監督がヴェネツィアで銀獅子賞を受賞したので、録画してあった『岸辺の旅』を観た。この作品は2015年のカンヌ映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞されている。近年の黒沢監督の作品はぜんぶ劇場で観ているわたしで、もちろんこの作品もロードショーで観ているのだが、記憶障害の問題か、まるで記憶していない作品だった。

 夜は「ナボコフ書簡集2」を読む。ナボコフは『青白い炎』の執筆に取り組んでいるのだが、いろんな取材の申し込みがあったり、チェックする雑誌記事に看過できない記述を見つけて手紙で訂正を求めるなど、いそがしいのである。おどろいた(知らなかった)のは、ナボコフヒッチコックから手紙が届き、ヒッチコックの考えている企画にそって「映画ストーリー」を書いてもらえないだろうかという依頼なのである。ナボコフは「完全な自由が保障されるのならば」ということで了承し、二つの「案」をヒッチコックに伝える。ひとつの「スパイが登場する物語」は、ヒッチコックは「そのアイディアはすでに過去の映画で使われている」という。もうひとつの案が面白くって、以下のようなもの。
 「売り出し中の女優が宇宙飛行士の卵に求愛され、つき合い始めるのだけれども、当初は女優の方が関係をリードする。ところが宇宙飛行士が遠くの星への初探査に飛び立ち、無事ミッションを成功させて帰還する。今や宇宙飛行士は国民のヒーローで、彼女は自分が彼の恋人であることを喜ぶ。しかしやがて、彼は探査旅行以前の彼ではないことがわかる。しかし彼女には彼がどう変わったのかはわからない。時が過ぎ、彼女は心配になり、おののき、錯乱する。」
 ‥‥こんなアイディアをナボコフが生み出したなんて! ヒッチコックは「そのアイディアは自分の分野ではない」と返事するのだが(笑)、ひょっとしたら根本的なところで、このアイディアがキューブリックを刺激して『2001年宇宙の旅』へと発展していたりして。