ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-05-18(Mon)

 Stay Home42日目。今日は術後一ヶ月ごとの検査で病院へ行く。前の検診以来いちども東京に出ることもなかったし、つまり一ヶ月ぶりの遠出。
 先月と同じ9時半ぐらいの電車に乗って出かけるが、「もう<緊急事態宣言解除>も間近いという空気から、電車も多少混んでいるかもしれないな」と思っていた。それが駅ホームに着くとずいぶんとたくさんの人が電車を待っていて、「これでは<緊急事態宣言>前の状態と同じみたいだ」と思ったのだが、たしかに電車は混み合っていて、北千住駅に着くころには座席はすべて埋まってしまい、立っている人の数も多くなった。もう10時になる時間だというのに、逆に普段より混み合っているような印象も受ける。先月のこの時間はがら空きで、乗客は座席をひとつおきに座ってまだ余裕があるような状態だったのに。

 病院に到着して受付に進もうとすると、看護士の方がいて診察を受ける方のひたいに体温計をあて、体温を測るのだった。わたしはもちろん問題はなかったが、先月はこういうことはやっていなかったな。
 まずCT検査を受け、次に医師がCT検査の結果を受けての問診になる。先月はまだ頭蓋骨と脳とのあいだに「すき間」が見られて、それでも「大丈夫でしょう」という話だったのだけれども、今日の結果をみると、もうそういう「すき間」は見られない(わたしも、さっきスキャンされたばかりの自分の脳の断面を医師といっしょに見ているのだ)。医師先生は「まだ少しすき間がある」と言われたけれども、わたしにはわからなかった。とにかく「もう問題はないでしょう」ということで、術後の検査も来月以降は不要で、今日でおしまいということになった。釈放された。
 ちょっと医事課の方に今後のこと、労災や高額療養費との関連のことなどを聞いて病院を出る。少し雨が降っていたが傘をさすほどでもなかった。

 ちょうど時間も12時なので、ちょっとだけ「どこかで昼食をとってから帰ろうか?」と思ったが、まだまだここで気をゆるめてはいけないし、まだまだ倹約しなければならないと、帰ってから自炊することにした。
 でも駅への道沿いにある古書量販店に立ち寄り、DVDコーナーをざざっとみて、ブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな楽しみ』か、トリュフォーの『アメリカの夜』かどちらかを買おうと思い、ちょっと安い『アメリカの夜』の方を買うのだった。

 帰りの電車は時間帯もあって相当に空いていた。帰宅して、ごはんは炊いてあったのでレトルトカレーを温めてかんたんな昼食にした。そのあと、YouTubeに最近アップされたというGrateful Deadの1991年のライヴを観る(聴く)。リヴィングにはニェネントもいて、前にBob Dylanをかけたら「ふぎゃっ」とかないて和室に逃げて行ったりしてDylan嫌い、ロック嫌いだと思っていたニェネントなのに、今日はずっとリヴィングでおとなしくしていた(聴いていた?)。なんだかしっぽをピコピコ動かしていて、それが音楽のリズムをとっているようにも見えてしまった。ニェネントは意外にも「デッドヘッズ」だったのかもしれない?

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 Grateful Deadの音はわたしもすっかり気に入り、「ニェネントも好きなんだったら、今度Grateful DeadのCDを買おうかな?」などとも思うのだった。

 ライヴが終わると、YouTubeでは別に政党幹部5人がリモート出演で集まって「検察庁法改正案」についての討議を行っていた。司会は津田大介氏。前回にもやっていた討論会の続編のようなかたちだ。自民党公明党の参加はなし。興味深い討論会だったが、維新の会の足立氏という人物がめちゃくちゃな話を繰り拡げられて、他の参加者全員から叩かれていたし、自分の意見は語らない司会の津田氏も、足立氏の発言のあとに苦笑していた。
 討議が終わってネットをみると、どうやら政府は「検察庁法改正案」を今国会で成立させることを断念したようだ。安倍内閣は「世論の強い反発」によるとしたらしいが、現在のマスメディアの政権への忖度状態のもと、政権への圧力となる世論をつくれた意義はとても大きい。今後の流れにも注視しなければならないだろうが、これがひとつのターニングポイントになるといいと思う。

 今日は電車の中での読書用に、パトリシア・ハイスミスの『女嫌いのための小品集』を持って行き、薄い本だし帰宅した夕方には読み終えてしまった。寝るときにはまた金井美恵子の『恋愛太平記』を読むが、また声を出して笑ってしまった。電車の中で読まなくってよかった。
 今夜はけっこう涼しかったせいか、寝ているわたしのところにニェネントが何度か遊びにきた。近くでアップでみるニェネントの顔は、小さな人間の子どものようにみえる。ただ愛おしい。