ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-03-30(Mon)

 東京では、一昨日の土曜日に都が管理する花見スポットを閉鎖して、花見ができないようにした。都は継続して「不要不急の外出」を控えるように呼びかけ、いわゆる「3密」を避けるように言っている。それでも、ここのところ東京でのCOVID-19感染者の数は急激に増加しているらしい。昨夜はCOVID-19に感染していた志村けんさんが亡くなられたという。ショックだ。
 都にせよ国にせよ、「自粛せよ」との声ばかり大きく、自粛によって経済的損失を受ける人たちへの「補償」というものを打ち出さないでいる。ネットではそのことへの批判の声が大きい。ところが一方で、「いつもは国の政策を批判しているくせに、ここへ来て国におねだりするのか」との発言もあるし、また「自己責任」を言いだす連中もいる。
 わたしは今は外出など出来はしないし、病院の管理下で衛生的に安全な状態が守られている。「隔離されている」ともいえるのだけれども、それも今日いっぱいのこと。明日の午前中には退院して外の世界に出て行かなくてはならない。早くウチに戻ってニェネントに会いたいけれども、これから外の世界で生活していくことが怖くもある。

 そろそろわたしも退院の準備を始めるが、そんなに荷物があるわけでもなく、かんたんに終わってしまう。昼食のメインは「ぶりの塩麴焼き」。わたしは普段は刺身以外は調理がめんどうなのでほとんど魚類は食べないが、入院していろんな魚を食べ、「なかなかにおいしいものだな」と思うようになった。まあスーパーには調理済みの魚もパックで売られているわけで、いつもはちょっと割高だから買うこともなかったけれども、これからはたまに買ってみようかと思うようになった。
 夕食のメインは「豚肉の生姜焼き」で、昨日につづいて「外の世界に戻るためのリハビリ」のような献立だ。まあわたしだけの特別メニューというわけもなく、単に偶然のことだけれども。

 今夜はテレビで「香川照之の昆虫すごいぜ!」の第1回、「トノサマバッタ篇」の再放送を見た。もう夕食も終わって、病室の中はすっかり静かになっている時間、ついつい何度も「昆虫すごいぜ!」を見ながら吹き出しそうになり、笑いをこらえるのにちょっと苦労した。
 これで手元にあったテレビカードもほとんど使い切り、まさに「退院モード」になった。

 8時ごろになって、担当看護士がやって来て、入院中のわたしの「看護評価」という書類(A4プリント2枚)を持ってきて、サインしてくれという。内容も確認しないでサインできるわけがないではないか。「まず読ませてもらってからサインする」と言って、その場で目を通した。内容はいいとして、それぞれの項目につけられている番号がいきなり「#2」から始まっていて、「#1」がない。これは今わたしの見ていない項目が別にあって、あとでいっしょにされて「全部わたしがサインしてある」ということにされるのではないか? まるで稚拙な詐欺のやり方ではないか。その件を問い質したが、自己都合の言い訳めいたことを述べられる。まあ書類の1枚目の右上に「Page:1/2」とプリントされていたので、「ま、いいか」とサインする。この「Page:1/2」の文字がなければ、もっと追及したところだ。
 この看護士は、わたしを介助するときにわたしの腕を引っ張った男で、わたしの担当看護のチーフ的存在であったようだ。どうも基本的に患者を見下ろしているのではないかと感じる人物だ。病院の方に訴えてもいいくらいだとも思ったが、血圧が上がるのでやめることにした。しかし、寝る前に思い出して不愉快ではあった。この病院でのさいごの夜だというのに残念ではないか。