ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2020-02-21(Fri)

 政府から国民へのコロナウィルス(「COVID-19」)対策は、「人混みを避けること」という、小学校の朝礼でのスピーチレベルのことでしかない(いや、小学校の朝礼でももっと具体的に踏み入ったことを言うだろう)。わたしとても、そのくらいのことは思うわけだけれども、「接触感染」を避けるのは、ある程度は自分で注意していれば出来ることだ。

 今日は国立劇場での文楽公演のチケットを前からゲットしていたので、やはり行かないわけにはいかない。行くのだ。
 わたしが観るのは第二部の昼公演なのだが、開演が2時ぐらいということで、仕事を終えたあとに時間があく。「どうやって時間をつぶそうか」と思い、とにかくゆっくりと昼食を取り、駅近くの古本量販チェーン店を見て回ったりしようということにする。
 いつも食事をする「日高屋」はそんなに長居はできないので、駅前のハンバーガーショップ「B」に行く。ここにもランチタイムの「ワンコイン」メニューというのがあり、500円でバーガーとポテト、そしてドリンクというものがある。
 しばらく前に某有名バーガーショップ「M」に実に久しぶりに行ったとき、「こんな<豚のエサ>みたいな不味いハンバーガーもあるのか!」と驚いたものだが、この「B」はふつうにハンバーガーの味で、まあおいしい。フライドポテトもおいしい。座席も「長居するんじゃない!」というような座り心地の悪い椅子でもなく、ゆっくりと本を読みながら食事を終えた。

 「B」を出たときに、駅前で「BIG ISSUE」を販売されている方を見かけた。販売される方の掲げた最新号の特集が「考える動物たち」というもので、「読みたい!」と思って買ってしまった。

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 わたしはずいぶん前に「BIG ISSUE」を続けて買っていた時期があったのだけれども、そのとき、自分の身の上でも不運なことが相次ぎ、わたし自身が「BIG ISSUE」の販売員になるかね、という状況にもなってしまい、以降その悪夢のような体験から、「BIG ISSUE」を買うことを控えていた。
 しかし、すでに「不運」ということは、わたしの身の上に昨年末からつづいているわけで、逆に「験直し」みたいな気もちで、買ってしまった。特集記事は短くて「それほど」という内容でもなかったけれども、ま、いいや。

 駅前の古本量販チェーン店へ行き、いろいろと棚を見て「ま、今日は買わないで出ようか?」と店を出ようとしたら、「特売品」を放り込んである「エサ箱」の中に、河出の世界文学全集、ナボコフの『賜物』が放り込まれていた。カバーが日の光でかなり褪色している以外は「新品」で、千円。

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 わたしは昔の福武文庫版でこの本を読んで、今でも持っているけれども、この沼野充義氏の訳は読んでみたいと思っていた。迷わず購入。「今日の収穫」である。

 さて、今日の目的地は半蔵門の「国立劇場」なわけだけれども、メトロを使って行くには途中でどうしても乗り換えなければいけない。「だったらいっそ(時間もたっぷりあることだし)その乗換駅の<九段下>まで歩いてやろう」という考えになり、<九段下>まで歩くのだった。それで<九段下>まで来てみると、「目的地の<半蔵門>も歩いてすぐではないか」というわけで、けっきょく飯田橋から半蔵門まで歩いてしまった。いい運動だ。
 半蔵門駅あたりに到着し、「今日は寄ってみよう」と思っていた「輸入酒、食品量販店」に立ち寄って、あれこれお買い物をしてから「国立劇場」へ。
 まさにちょうどいい時間の到着で、ちょっと待つとすぐに「第二部」の入場時間になった。

 今日の演目はあまりポピュラーでもないせいか、意外と空席が目立った。正直言って、東京での「文楽公演」で、ここまでに「空席」の目立つ公演は初めてだった。これは「COVID-19」のせいというわけではなく、1等席の後ろの方がガラリと空いていたわけで、チケットが売れていなかったせいだというのは明らかだった。

 さて、わたしが今「文楽公演」にあしげく通うのは、とにかく鶴澤清治の三味線を聴くため、といってしまってもいい。このことはまた改めてごちゃごちゃ書きたいと思っているので今は書かないが、今回は売店でその鶴澤清治のDVDを買おうか、という目論見もあった。
 売店にはもちろん、その鶴澤清治のDVDも置かれていたのだが、価格が外からわかるように明示されていない。店の人に「いくらですか?」と聞いてみると、七千いくらだとかいう答えで、「ありゃ!四千円ぐらいだと思ってたわさ!」という感じで、「今回はパスしよう!」ということになった(Amazonだともっと安い可能性が強い)。そのかわり、彼のCDを買った。聴くのが楽しみだ。

 意外とこの日の演目も楽しいもので、「やはり<文楽>はやめられない!」という感じではあった。それで次回、五月の東京での文楽公演は、通し狂言で『義経千本桜』をやるのだった。

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 これはむかし一度観たことのある演目だけれども、その頃は鶴澤清治氏とか注目もしていなかったし、やはり行くのだ。それまで生き延びよう!