ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-10-12(Sat)

 ついに台風が来る。部屋は雨戸を閉め切っているが、雨戸のない出窓のところから外の光が入って来るから、そこまでに暗くはない。朝方から、今日は土曜日なので「ウィークエンド サンシャイン」を聴くが、この日は先日亡くなられたGinger Bakerの特集だった。わたしはこのあたりのロックにはほとんど興味がないので聞き流す感じ。わたしがロックの分野でいちばん好きなドラマーは、Fairport Conventionなどに在籍したDave Mattacks一択である。まあウッドストックで一人勝ちしたSantanaのMichael Shrieveもいいけれども、彼の演奏はウッドストック以外知らないし。オンエア中もひんぱんに各地の気象情報というか、警報発令の知らせが入ってきて音楽が中断される。まあFMなんだからそういう警報とか、よほどの緊急事態以外は入れなくてもいいようには思うが、やはりそういうわけにもいかないのか。

 テレビをつけるともう台風関連の情報にあふれているのだけれども、そのうちにいっしゅん、パチッと電気が点滅し、「これって<停電>の一歩手前なんじゃないの?」と思う。以前東日本震災のときわたしの住まいも停電したのだったが、そのときの感じと同じだ。「これはヤバいかもな」と思っていたのだが、まだ外は明るいし様子を見ていたのだが、そのうちに報道で千葉で停電が起きたということが知らされた。「やはりね」というところだったが、実際に以後ヤバいかもしれない。
 外はずっと雨が降り続いているのだが、だんだんに雨脚は強くなってくる。台風はどうやら夜には伊豆半島あたりに上陸してくるらしい。そのあとは東京のど真ん中を横断し、まさにわたしの住まいのあたりを通過していくみたいだ。ぜったいにヤバい。

 今回の台風はどうやら「風」よりも「雨」の被害が大きくなりそうで、昼頃からあちこちで川が氾濫したとのニュースが流れてくる。風もまったくないわけではなく、千葉の市原市では竜巻のような突風が起きたようでもある。
 日が暮れてくると外の雨音も強くなり、さらにテレビで伝えられる被害の様子もわかってくる。前の台風15号のときは千葉県に被害が集中していたけれども、今回は関東全体、そして長野県などの各所の河川の氾濫が起きているようだ。台風の接近で気圧も下がってきているはずで、そのせいか頭が重いというか調子が悪い。

 夜になって、台風はやはり伊豆半島に上陸する。部屋に居る限りではあまり風は強くないようだけれども、このあたりもかなりの雨のようだ。荒川が氾濫したりすれば東京も大変なことになる。あちこちに「避難勧告」が出ているようだ。わたしの住まいは500メートルぐらい先の手賀沼への斜面の中腹にあり、まあ100パーセント水の被害は起こらない。あとは風の心配だ。
 9時半ごろからは風も強くなってきたようで、部屋の周りを風が駆け抜けるような音、何かが飛ばされて行くような音がサラウンドで響くようになる。「ついに来たか」という気分になるし、そんな外の物音で不安になっただろうニェネントもわたしのそばでウロウロするが、ニェネントもまた気圧の低下の影響があることだろう。

 「いよいよだな、覚悟をしよう」と思っていたところ、ちょうど10時になったころに急に外が静かになり、なんだか雨もやんでしまったようだ。「どうしたのか」と思ったのだが、ネットの台風情報などをみると、まさにこの時、まさにわたしの真上を「台風の目」が通過中のようだった。

 わたしは以前にも確か、自分の住まいの真上を台風が通過したことがあったと記憶しているけれども、それ以来のことだ。今わたしは「台風の目」の中にいて、台風が進んでいけばもういちど嵐がくるわけだろうと思ったのだが、これがいつまでも外は静かなままである。
 ネットに台風の雨雲の進行を時間を追って表示するものがあったのだけれども、それをみると台風は伊豆半島に上陸したときに伊豆半島のところで真っ二つに割れてしまったようにも見え、そのときに台風の南側の雨雲も消滅してしまったように見えた。つまり、「これでおしまい」なのだ。
 もちろん「これでおしまい」というのは我が家のことで、関東周辺のあちこちで河川が氾濫しようとしているし、茨城や福島ではこれから雨も本格化するのだろう。とにかくは大規模な被害が出ているようだ。
 河川の氾濫は上流からの雨水が川に流れ込むことで範囲も大きくなる。台風が行ってしまったから「終わり」ではなく、これからも大変だ。