ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-09-20(Fri)

 先週観た『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を、もういちど観たくなった。
 あの映画は一面で「ハリウッド映画史」からの造形、というところもあったと思ったのだけれども、時制的にあの映画の描いた1969年と同時代の映画へのパスティーシュというものは意外と少なく、前に気づいた、チラッと壁に貼られていた『ジョアンナ』のポスターのように、画面にチラッと映り込むだけのように思え、「ほかにどんな映画(のポスターとか)が映っていただろうか?」というのを確かめたくなってしまったのだ。もちろん映画として何度観ても楽しい映画ではあるし、ディテールの豊富な映画だから、観ればまた新しい発見もあるだろう。
 いろんな映画館のスケジュールを調べてみて、やはり先週観た六本木のシネコンの上映スケジュールが(先週とはちょっと変わっているのだけれども)いちばんいい。
 ということで、仕事を終えて食事をし、また六本木へ。先週とは変わって、もっと小さなスクリーンになっていたが、もう上映が始まって三週目になっているのだから、客も少なくなってはいるのだろう。

 さて、今回観ての結果だが、なんと、わたしは大きな勘違いをしていたことがあり、それは音楽でPaul Revere & Raidersの「Kicks」もフィーチャーされていたと思い込んでいたのだけれども、「Kicks」は使われていなくって、わたしは同じ彼らの「Good Thing」を「Kicks」と取り違えていたのだった。「耄碌」か。

 それで映画の中で扱われた、「フィクション(虚)」ではない映画は、わたしのチェックでは以下の通り。

 ●「3 in the Attic」(1968) Directed by Richard Wilson,Starring Christopher Jones and Yvette Mimieux.
 ●「Lady in Cement」(1968) Directed by Gordon Douglas,Starring Frank Sinatra and Raquel Welch.
 ●「Pretty Poison」(1968) Directed by Noel Black,Starring Anthony Perkins and Tuesday Weld.
 ●「Pendulum」(1969) Directed by George Schaefer,Starring George Peppard, Jean Seberg.
 ●「Joanna」(1968) Directed by Michael Sarne,Starring Geneviève Waïte.
 ●「Murderers' Row」(1966) Directed by Henry Levin,Starring Dean Martin,Ann-Margret,and Karl Malden.
 ●「The Wrecking Crew」(1968) Directed by Phil Karlson,Starring Dean Martin,Elke Sommer,and Sharon Tate.
 ●「East of Java」(1969) Directed by Bernard L. Kowalski,Starring Maximilian Schell,Diane Baker.
 ●「Romeo and Juliet」(1968) Directed by Franco Zeffirelli,Starring Leonard Whiting,Olivia Hussey.
 ●「Candy」(1968) Directed by Christian Marquand,Starring Ewa Aulin.

 ほんの一瞬、そのポスターとかが映るだけだったりするが、だいたいこんなものだったかと思う。あともちろん、『大脱走』(1963)と、もうちょっと時代をさかのぼった西部劇のポスター(ロイ・ロジャース主演のものとか)も、ディカプリオの部屋に飾ってあったりするけれど、同時代的にパスティーシュされていた映画は、以上の10作ではないかと思う。
 まあ、今ではもう忘れ去られたような映画ばかりだし(『ロミオとジュリエット』はまだ需要があるのか)、例えば1968年の映画にどういうのがあったかというと、あの『2001年宇宙の旅』の年であるし、まあこの映画でも言及される『ローズマリーの赤ちゃん』の年。「1969年は?」とみると、これは強烈なばかりに「アメリカン・ニュー・シネマ」全開の年で、『明日に向かって撃て!』、『真夜中のカーボーイ』、そして何より『イージー・ライダー』の公開された年だったりする。西部劇で言えば、ペキンパー監督の『ワイルドバンチ』である。このあたりをばっさりと無視するタランティーノ監督のまなざし、やはりとっても興味深いものがある。
 とりあえず今日は「確認」ということで、後日もうちょっとゆっくりと考えてみようと思う。

 映画を観終わって「帰ろう」とメトロの駅に向かっていると、目の前を走る国道に、数台の「ゴーカート」がドライヴしていた。乗っているのは着ぐるみを着たりもしている外国人である。わたしは以前にも、この「族」にどこかで遭遇したことがある。面白いので声をかけて写真を撮った。こういう「陽気さ」が今、いちばん欲しいものかもしれないな。

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