ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-09-17(Tue)

<忘れられない夢>のこと

 今朝も、みた夢をしっかりと憶えていた。わたしは夢の中で、正月の飾りの「くまで」のようなものを買おうとしている。売られている場所は広い体育館のような場所で、そこにテーブルが出されてまわりにその「くまで」のようなものが置かれて売られている。わたしは「八千円ぐらいのちょっといいやつを買おう」と思っているのだが、わたしが売り場に着いたときには、もうあたりに商品は残っていないようにみえた。売り場には和服の男性と若い女性とが客の応対にあたり、売れた品物を渡している。わたしの前で買っていた人が買い終わり品物を持って行って、わたしの番になったのだが、「あら残念、今売れたのがさいごのひとつだったのよ」と売り場の女の人に言われる。まわりを見るともうお客さんは誰もいなくなっていて商品もなく、床に紙くずが散っているばかりだった。売り場の人も帰る準備をしているのだが、わたしはさっき話をした女の人といっしょに帰ることになった。
 その女の人はちょっと面長の色白で、丸髷を結って鮫小紋の和服を着ていて、つまり夢二の美人画からそのまま抜け出してきたような、芸者風の身のこなしの、いわゆる「小股の切れ上がった」というにぴったりな美人だった。二人並んで外に出てみるとやはり時代は「現代」ではないようで、明治から戦前ぐらいのあいだの風情の町並みで、どうやら場所は上野のようだ。
 その女性と談笑しながら歩き、笑顔の素敵な彼女のコケティッシュな魅力に惹かれる自分を感じる。まあ芸者らしくもわたしの気を引くような所作も見せ、そのときに彼女の赤い口紅に陽の光があたって白く反射し、それがわたしに、フェルメールの「赤い帽子の女」の女性の唇を思い起こさせるのだった。
 わたしたちは谷中を散策しているらしかったのだが、ちょうど今なら「朝倉彫塑館」のあるあたりに差し掛かり、わたしは彼女と食事にしようと思うのだったが、あたりには定食屋の出している白地に赤く「定食」と書かれたのれんしか見当たらず、「彼女と定食屋へ入るというのは野暮だなあ。わたしは買い物し損ねた八千円が財布にあるし、もっといいところで食事したいものだ」と思ったところで目覚めてしまった。

 夢の女性の顔は、過去にわたしが見知っていたどんな女性にも似ていなかったのだが、彼女と散策する谷中の町並みなど、夢の細部は何もかもけっこうリアルで、目覚めたあとに「この夢はひょっとしたら、わたしが生まれる前の<前世>の記憶が<夢>になって顕れたのではないだろうか?」などと思ってしまった。そもそも、わたしは和服着物についての知識などまるでないわけで、さいしょに彼女に会って彼女の来ている和服を見たとき、「あ、鮫小紋だ」などとすぐに思ってしまったことが解せない。わたしは「鮫小紋」など知っているはずもないのだが、夢から覚めてまずネットで「鮫小紋」を調べてみて、それがまさに、夢の中でその女の人が着ていた着物の柄だったことがわかった。ちょっと驚いてしまった(いちおう、その「鮫小紋」とはどんな柄なのか、画像を添付しておきましょう)。

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 人は誰しも、生きているうちに「忘れられない夢」というものをいくつか見るのだろうけれども、今朝わたしが見た夢もまた、「忘れられない夢」だろう。今日はこの夢のことでいっぱいなので、日記はここまで。