とても久しぶりに、見た夢を目覚めても記憶していた。何かの打ち合わせでわたしはどこかの小学校らしい建物に来ているのだが、どうやら小学校全体が停電しているようで、部屋の中は薄暗い。知人たちとのミーティングを終えてひとりで校内の廊下を歩く。教室の中では薄暗い中で生徒らが机に向かっている。そこに小柄な男性教諭がやって来てわたしを叱責する。「校内に無断で立ち入ってはいけない」ということだ。背は低いが居丈高な態度の男性で、学校から追い出される。
外を歩いているとわたしの前を三人のワイシャツにネクタイ姿の若い男性が歩いている。わたしはそばの建物の向こう側へ行きたいと、建物の階段を上ろうとするのだが、その階段の足を運ぶスペースがとても狭く、おそらく10センチぐらいしかないので、足を横にして苦労しながら上る。階段を上りきって向こうを見渡すと眺望がひらけ、丘の斜面のようなところでたくさんの子どもたちが遊んでいるのが見えた。学校が停電なので、そのまま授業をつづけているクラスもあるけれども、もう授業を打ち切ってしまったクラスもあるのだろうと思った。だいたいが小学校3~4年生の子らだと見えたが、葉の落ちた枝だけの木の生えた公園のようなところで、男の子も女の子もぎっしりと押し合いへし合いするように遊んでいる。特に、白い水玉模様の赤い服を着た女の子らが数人いて目立つ。その景色を見ていて、「まるでブリューゲルの絵みたいだ」と思うのだった。
‥‥きっと、その小学校が停電だったというのは、いまの千葉の台風被害のニュースをみた影響だろう。それと、ここには今読んでいるカフカの影響もあるだろう。「ブリューゲルの絵」というのは、おととい六本木に行ったとき、六本木ヒルズの中のカフェで「見たことのないブリューゲル」とかいう映像を上映していて、よっぽど見ようかと思った、その記憶からのことだろうと思う。さすがに夢だけに、「夢のような」美しい眺望だった。
ニェネントの、皮膚炎の治療がたいへんなのである。前は「塗り薬」だけで良かったのだが、今はまずニェネントの患部(下あご部)を水洗いし、シャンプーをつけて泡立たせて数分放置、その泡をきれいに拭き取って、そしてまた塗り薬を塗ってあげるのだ。
もちろん、ネコの一種であるところのニェネントくんは濡れること、濡らされることが大っ嫌いで、まず「水洗い」の段階で必死に抵抗をする。シャンプーするのはまあいいのだが、そこで数分放置してまたつかまえて、きれいに拭き取ってやらなくてはいけない。連続して大っ嫌いなことをやられるわけで、その抵抗も半端ない。「シャ~!」ってやられるし、爪を立てて引っかかれる。久しぶりに腕に引っかき傷をつけられたりする。というか、せっかくのわたしとニェネントとの<信頼関係>が壊れてしまいそうで、こういうことはわたしもやりたくない。早く完治していただきたい。
さて、今は「カフカ全集」の『アメリカ』を読んでいて、これがほぼ読み終わるところなのだけれども、ちょっと、終盤になるにつれてこの訳文には難儀する。この巻は先の『審判』と合わせて三人の翻訳者の名前が列挙されていて、それぞれの方は当時の国立大学独文科の教授で、皆さんWikipediaに独自の項目を持っていらっしゃるのだが、誰か知らんけど酷いのがあるな~。「直訳とはまさにこのことよ」というような、Google翻訳みたいな訳文がつづく。ちょっと読むのに苦労している。
あと、今は寝る前の短い時間に、池田香代子訳の『グリム童話集』をちょっとづつ読んでいる。これはどうしようか、読むたびにちょっとづつ短く感想というか覚書を書いていった方がいいのだろうか。思索中。