(ちょっとボケボケの写真ですが)
七里圭氏は本来映画監督で、crosstalkにも出品してくれていた清水真理さんの人形作品をフィーチャーした『眠り姫』をずいぶん以前に観たはずなのだけれども、この映画のことはまるで記憶に残っていない(印象が薄かったということではなく、わたしの<記憶障害>のため)。そのあと、去年だったか、今回の舞台に出演されている安藤さんと黒田さんもやはり出演されていた『あなたはわたしじゃない』という映画を観て、けっこう気に入った記憶がある。
今回の舞台は、設定こそ異なるけれども、どこかその『あなたはわたしじゃない』の舞台版というところがあり、舞台を蚊帳のように囲った「紗」に映像を投影しての<二重映像>ともいえる視覚効果、その映像に登場する「馬」など、『あなたはわたしじゃない』と共通するといえる。
ただ演出としては「能」の舞台を意識されているというか、歌い手としてさとうじゅんこという方も加わって、静謐なようでエモーショナルな舞台が創造されていた。いろいろと思うところのあった舞台だけれども、とりあえずこのあたりで。