カセキユウコさんは、長くベルリンを拠点に活動されているダンサー(舞踏家)で、今はしばらく日本に帰国されて小さな公演を続けておられる。
実はわたしは20年以上前に東欧を旅行した時、ベルリンでカセキさんのスタジオを訪れたことがあるのだと、同じ日程で東欧を廻られていたKさんに知らしめられたのだった。わたしは記憶障害でもって、特にこの東欧旅行の記憶はほぼすべて消えてしまっているのでだけれども、Kさんの話ではそのとき、カセキさんのスタジオには塩田千春さんもいたのだという。
ま、そういう<思い出せないこと>は置いておいても、カセキさんのダンスは観たいと思っていた。
この日のパフォーマンスは、そういう彼女のダンスを思いっきり見せてくれたり、スカンクの音楽を堪能させてくれるようなものではなかったけれども、冒頭しばらくのカセキさんの舞踏的な動きから、「やはり魅力的な舞踏家/ダンサーなのだろう」ということは充分に想像できるものだった。彼女の公演があればまた観たいものだと思った。