ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』フレデリック・ワイズマン:監督・製作・編集・音響

        f:id:crosstalk:20190726174204j:plain:w400

 ここでは「ニューヨーク公共図書館」本館と各地の分館、研究組織それぞれをカメラはまわり、それぞれで勤務する各分野の長、子どもたちへの読みきかせ教室、貸出係から返却された本を分類する人々まで、図書館運営にかかわる多くの人たちの活動が記録されている。さらに図書館でのイヴェントに参加したゲスト、エルヴィス・コステロパティ・スミスらの壇上での発言も記録されている。まさに「ザ・ホール・オブ・図書館」という感じ。しかもその図書館は<世界で最も有名な図書館>でもある。

 やはりここでも、先日観た『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』のように「民主主義とは何か」という問いかけと、ワイズマンがみるその答えとが提示されるのだが、わたしが印象に残ったのは、日本ではともすると「図書館」と「インターネット」とは対立するようなものと思われているのではないかとも思うのだけれども、ここでは両者の共立が図られているというか、図書館の姿勢は「市民にもっとインターネットを普及させること」であり、そのための努力がなされているということ。今の日本は図書館にも「指定管理者制度」を導入し、プロフェッショナルな「司書」のあり方を否定するような動きもある。なさけないことだ。いろいろと思わされ、考えさせられるドキュメントだった。

 ただ、わたしにはつい先日観たばかりの『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』があまりに面白過ぎたので、それに比べてしまうとちょっと分が悪かったという印象はある。