ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-07-02(Tue)

 借りていた本を返しに図書館の分館へ行き、「何か借りようか」と広くはない館内をみて歩き、イーヴリン・ウォーの『ピンフォールドの試練』と多和田葉子の『雪の練習生』とを借りた。

 その図書館の分館に行くとき、通り道の事務所の建物の駐車場に2匹のネコが並んで横になっていた。「仲がいいですねえ」と思って写真を撮った。

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 しかし、歩きながら考えて「なぜあの2匹はわたしが近づいても逃げて行かなかったのだろう?」と考えてしまった。1匹は多少わたしのことを警戒していたようだけれども、もう1匹はまるでわたしのことなど気づかないような様子だった。あれは具合が悪いとか体調が良くないとかそういうことで横になっていて、もう1匹が心配してそばにいてあげてたのではないかと思った。
 図書館を出て近くのスーパーで買い物をして、30分ぐらい経っただろうか。もういちどさっきネコのいたところに通りかかった。やはりまだ2匹のネコは同じところにいたけれども、わたしが思ったように、1匹はとても具合が悪いようだ。もうべたりと地面に横になっていて、見ているとときどき、胸のあたりが妙な具合にけいれんしているのがわかった。わたしとネコたちとの間には駐車場のゲートがあって、写真は撮れるけれどもある程度以上は近づけない。せいいっぱい近づくと、もう1匹の方は逃げて行こうとするのだけれども、あまり遠くには行かないで様子をみている。

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 やはり、具合の悪い仲間を心配して、そばに寄り添ってあげているのだ。見た感じ、もう具合の悪い茶トラのネコは近づいたわたしに注意を払うことも出来ないようだ。臨終のときが近いように見える。この茶トラネコは以前にこのあたりで見かけたことが何度かあるネコだと思う。見た感じはもう長くはないように思える。可哀そうだ。
 しかし、ネコは自分の体調が悪いときとかは、自分がいちばん心落ち着くところ、静かなところへ行こうとするものだ。こんな、人通りもある、ものかげでもないところで倒れ込んでしまっているというのは、急激に体調が悪くなったとかだろうか。つまり毒を盛られたとか、そういう可能性がある。野良ネコの生はいつも危険と隣り合わせだ。せっかくもう1匹が見守ってあげているじゃまをしないよう、わたしはその場を離れた。

 でも、もう一方のネコの「同胞愛」というのか、具合の悪い仲間を心配して寄り添ってあげている姿には、それを「愛」といっていいのかどうかはわからないけれども、心打たれるものがあった。
 あのあとあのネコたちがどうなったのか気になるけれども、そんなにウチの近くでもなく、あまり行かない場所だし、また様子を見に行っても何ができるわけでもない。でも気になる。あのネコが安らかに眠れたことを祈るしかない。