ジョン・コルトレーンの同タイトルのアルバムをそっくり踊るということらしかったけど、わたしはジャズはいろいろ聞いていたけれどもコルトレーンはあんまし聴いてなかったのです。「至上の愛」も買わなかったし。
Rosasの舞台は4人の男性ダンサーだけで踊るということで、「それって、コルトレーンのカルテットのミュージシャン4人に対応させた<アテ振り>なのかな?」とは思っていたのだけれども、観ていたらまさに「振り当て」られていて、実はちょっと意外だったというか、「やっぱりそう来たか」というか。
コルトレーンの音楽は微妙にポリリズムだし、当時のジャズの「それぞれが交代でソロ演奏やるのよ」というところから発展して、グループでの音を追及してるところもあるし、そして東洋志向もあるし、(こういっちゃなんだけれども)ダンスとして組み立てやすいというか、見栄えのする作品にはなると思う。
しなやかなダンサー4人の動きを観ているのは気もちがよかったし、それぞれのからみ方も観て興味深かった。でも、どこか「コンテンポラリー」の中の「モダン」という感じでもあり、「コルトレーンの録音から50年」という、「時の経過、時の隔たり」というものは感じられなかったように受け止めた。つまりもうちょっと、「音をダンスに置き換えた」というものを越えたものが見たかったな(Rosasが前にやった「ビッチェズ・ブリュー」みたいな?)。
気になったのが床に描かれたアパートの間取り図(1DK4部屋?)みたいな図形で、それが「カバラ」の図象みたいにも見えて、すっごい興味深かったのでした(これは後日関係者のMさんが書かれていたのを読むと、「フィボナッチ数列に基づく線」だということだけれども、ど~ゆ~ことなのか、いずれMさんに聞いてみたいと思っている)。