昨日心配したニェネントだけれども、朝みた感じではとりわけて体調が悪いとかいう感じではない。昨夜は嘔吐もしなかった。もちろんこのまま「よかったね」ですませるのではなく、動物病院に連れて行かなければならないのだけれども、わたしの判断でそこまで急迫した状態でもないだろうと思う。今日という日はわたしのために使わせてちょうだい。
わたしも昨日はちょっとのどが痛んで、風邪の前期症状というところだったのだけれども、今朝はほとんど気にならなくなっていた。「それでは」と、前から伸ばし伸ばししてきた「コーネル展」を観に行くことにした。
目的地の「DIC川村記念美術館」へ行くには大きく分けて二通りのルートがあり、我孫子から成田線に乗り、途中乗り換えてずっとJRで佐倉まで行くルートと、途中までは同じルートだけれども成田の駅で京成線に乗り換え、京成佐倉駅に行くルートがある。佐倉の駅からは美術館まで30分に1台の無料送迎バスが出ているのだけれども、送迎バスの出発は京成佐倉駅前からで、途中にJRの佐倉駅前に寄るということ。「それならばバスの出発地から乗った方がいい」と思い、成田駅で京成線に乗り換えるルートにした。我孫子駅から「成田線」を初めて利用する。車窓風景が新鮮だ。どんどん農村風景になっていく。そしてこの日は田んぼに水が張られ、まさに「田植え」をしているところが多かった。
一時間ちょっとで京成佐倉駅に到着。ちょうど送迎バスが出発したばかりの時間で、しばらくの待ち時間にあたりを歩いてみる。起伏のある地形で、ちょっと古い建物も目についた。歩いていると目の前をツバメらしい鳥が飛び過ぎて、近くのビルの階段口に入って行った。そう、5月はツバメの巣ごもり、子育ての季節だ。今年初めて見るツバメ。ちょっと追ってみると、もちろんまだ雛は生まれていないだろうけれども、巣ごもりの準備をしているようだった。
そろそろ送迎バスの到着時間になるので、バス発着場に戻る。さすが連休中というか、かなりの人が並んでいて、ここでバスはほぼ満員になってしまい、次のJR佐倉駅では4~5人の人しか乗れず、あぶれた人たちは次とか次の次のバスの待つことになりそう。やはり京成佐倉の駅まで出てきてよかった。
出発したバスから外を見ていると、やはりこの京成佐倉駅周辺は古い建物が多いようで、「佐倉城下町商店街」などという掲示も目に入った。
バスはまたどんどんと水田地帯を進んでいき、午前11時、ついに「川村記念美術館」に到着。緑の美しい、森の中の美術館みたいな(わたしはココに来るのは初めてのこと)。
今日は「端午の節句」当日でもあるので、美術館エントランス前には「鯉のぼり」の姿も。
美術館はその「コーネル展」だけでなく常設展示も相当なもので、特にポロック~ポップアート~それ以降のアメリカ戦後美術のコレクションはなかなかのもので、こうやってまとめて「ポップアート」系の作品とかを観ると、ふわりとタイムスリップしたような気分にもなる。
特にこの常設展のためにまとめて書くことはしないけれども、中でも照明を落とした部屋の中に展示された、マーク・ロスコの大作7点の部屋にはちょっとばかし感銘を受けた。コーネル展については別に。
午後二時半のバスで京成佐倉駅に戻り、しばらく駅周辺をぶらぶらしてみる。これは佐倉市立美術館。なかなかに威厳があってカッコいい。
これは工芸品店だろうか。中でコーヒーも飲めるようだ。
こういう「シャッター店舗」でも、タイルのはがれとかに目が行ってしまう。
こうやって、川村記念美術館と佐倉の商店街とがリンクして互いを盛り上げ合うようであれば、かなり理想的な関係のようにも思ってしまう。
京成線からJRに乗り換える成田駅でも、電車待ちの時間にしばらく駅周辺を歩いた。ここは駅舎周辺にツバメが飛び交っていたが、この駅は鳥が留まりそうなところには垂直な針金を「針山」のように立て、鳥が留まれないようにしている。そのせいでツバメが「どこか留まれるところ」を探して右往左往しているようにみえる。
なんとかまだ明るいうちに帰宅したけれども、ニェネントくんには留守番を感謝。ひょっとしたら具合が悪いかもしれないのに、留守番をさせてわたしだけお出かけするなんて、わたしは「鬼畜」だ。