ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-04-14(Sun)

 さて今日は、上野の東京文化会館へ行く。シェーンベルクの『グレの歌』を聴きに行く、というか、体験しに行く。

        f:id:crosstalk:20190416141655j:plain:w400

 わたしはクラシック音楽のファンというわけではなく、むしろベートーヴェンブラームスモーツァルトもまるで聴いたことのない、一般常識の欠けた人間なのだけれども、20世紀の音楽とかは好きだ。そんな中で、「もしもクラシック音楽でナマで聴けるとするならば何がいいか?」と自らに問うならば、それは躊躇せずにメシアンの『トゥーランガリラ交響曲』と、シェーンベルクの『グレの歌』を<体験>したい、と答えるだろう。
 そのメシアンの『トゥーランガリラ交響曲』はついに去年の1月に<体験>することができ、もう一方の『グレの歌』を、今日<体験>する。
 こういうのはつまり、その上演が行われることを知らなければ始まらないわけで、クラシックファンでもないわたしのネットワークにそういう情報網はないので、「どれどれ」と検索してみたときに、うまい具合にそんな演目の上演があるときにぶっつからないといけない。それで、これはわたしの中では「奇蹟」じみたことではあるのだけれども、去年の『トゥーランガリラ交響曲』のチケットが買えたのも、ふと『トゥーランガリラ』のCDを聴いたときに、「ああ、コレをナマで体験出来たらなあ」と何気にネットで検索してみたら、なんとその日にチケットが売り出される公演があったわけだけれども、これがさらに今年になって、急に『グレの歌』熱が高まったときに検索したらば、やはりその日がチケット発売日だったのです。これはわたしとしては「何という奇蹟!」というか、「呼ばれたな」という感覚でもあるのだけれども。

 つまり、これでわたしの「クラシック熱ベスト2」体験は今日で両方完了できるわけだけれども、まあわたしも年齢を重ねて、ロックのライヴとか行くのもしんどくなってしまったし(ほんとは、この3月のGang of Fourの来日公演に行きたかったのだけれどもね)、まあジャズとかアヴァンギャルド・ミュージックとかは行くこともあるだろうけれども(いや、じじいが聴くようなジャズの大御所のライヴとかはまるで興味はないが)、これからはクラシック音楽を聴くことも多くなるかもしれない。
 そうっすね~、あと、ナマで聴きたいクラシックというと、フォーレの『レクイエム』とか、ラヴェルの『ダフニスとクロエ』、それからシェーンベルクとかベルク、ウェーベルンとかの室内楽、とつぜん古楽になってペルゴレーシとかパーセルとか聴いてみたい。

 しかし、もうロックとかそういう方面の新譜とか、まるで聴かなくなってしまった。今の新しいミュージシャンの音にも反応しなくなったし、まだ現役のオールドタイミーなミュージシャンの新譜にも興味はない。今でも新譜をチェックしたいのはHope Sandovalぐらいだろうかね。

 ‥‥というわけで、午後から上野に出かける。とにかく、文化会館の大ホールは二千人以上収容できる大きなホールだから、すっごい人の数。客層はクラシックのことにはブイブイ口をはさみそうなおじさんとか、まさにクラシックファンなおじさん、おばさん、そして自分も音楽をやっているような若い女の人の顔も散見して、これってけっこう、ダンスの大きな公演の客層と被るところもあるような気がする。
 しかし、この舞台に上がるオーケストラのメンバーとかをみても女性の比率が高くって、音楽の世界では<実力主義>が健全に機能していて、近年医大で話題になったような、女性の進出を阻むような空気はないのだろうかとは思う(「セクハラ」の方は、いろいろと話題になっていますけれども)。

 とにかくはライヴの感想は別に書くとして(って、クラシックの世界では<ライヴ>などというわけはないだろうけど、何ていうんだろう?)、5時半には終了。目の前の上野駅から帰路につく。上野は近いけど、上野からの電車は「快速」なのでわたしの自宅駅は停まらないから、手前の駅で下車して近くのスーパーに寄ってお弁当を買って帰った。お弁当にはおさかながのっていたので、ニェネントくんに「お留守番ありがとう」と、半分あげるのだった。