- 発売日: 2017/07/07
- メディア: Prime Video
- この商品を含むブログを見る
「ベルリン国際映画祭」で金熊賞を得た作品。かんたんにいえば「ダメダメな刑事」が「ファム・ファタールな女」に惚れてしまうというノワールなのだけれども、いろんな場面での「絵」が美しいし、それはやはり、そんな「ファム・ファタール」な台湾の女優、グイ・ルンメイにわたしも持って行かれてしまうのだ。この映画でのグイ・ルンメイはほぼ満点だ。
特に後半の夜のシーンでのネオンの「赤」、「緑」、「黄」。これではまるで信号機の三色だが、このくらい徹底してやってくれると「いいなあ」と思う。そして唐突な、北野武的な暴力シーン。観覧車から見られる、そこだけネオンのまぶしい「白昼の花火」*1というナイトクラブ。その店の中のアンニュイさ。
ファム・ファタールな女に惚れてしまった刑事は、「おまえのことを守りたい」とか「救いたい」とか言ってるのに、けっきょく彼女の<罪>を告発する立場になることがアレというか、ここは「わかった、さいしょのさいしょはお前が男を殺したのだな。これからあと、オレの人生すべてを賭けてもお前を守ろう!」となってこそ、わたしの考える「男の中の男」なのだが、「昼間っから花火上げてんじゃね~よ!」と、減点。
けっきょくコレは、『第三の男』のリメイクっぽいよね。
*1:これは中国での映画の原題で、ラストシーンに深くかかわっている。