ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-01-13(Sun)

 今日は六本木へ行く。森美術館で開催中の「カタストロフと美術のちから」展を観る。これは去年から観たかった展覧会だったが、図録の完成〜販売が遅れていたので(この会場でのインスタレーション写真を含めようとしたのだろう)、その図録の完成を待って観に行くことにしていたもの。
 ちなみに今年は小曽根章造氏との共同作業のこともあり、いろいろと美術展を観たいと思っているし、出来ればそんな展覧会の図録も購入していきたい。今日はそんな小曽根氏と待ち合わせ、2時から美術館へ。それで、わたしも最近のコンテンポラリー・アートの展示には映像作品の上映も多く含まれていることをすっかり忘れていて、1時間を超えるアイザック・ジュリアンの作品をしっかり全部観てしまい、「4時ぐらいには観終わるだろう」というもくろみが崩れてしまった。小曽根氏は少なくとも5時には六本木を出て、他の用事の方に行かなければならない。出来るだけ丁寧に観たつもりだが、以降映像作品はスルーしたものが多くなった。
 とにかくは何とか5時前に観終えて、日比谷線を使う小曽根氏とはほとんど話もしないままに別れた。次に会えるのはいつになることか。わたしは千代田線で帰るので、森美術館から薄暮の六本木を乃木坂駅へとひとり歩く。空は蒼く、月が、冷ややかにその三日月の鋭角を光らせていた。

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 森ビル〜六本木ヒルズから乃木坂への道は寂しい。途中から六本木トンネルをくぐると、すぐに乃木坂の駅なのだが、この日曜日の夕暮れ時、わたしに並行して歩く人もまるでいない。まるでエアポケットにはまったというか、さっきまでの森ビル周辺の、おおぜいの人たちはどこへ消えてしまったのかと思う。人っけのない裏道を歩きながら、これも、都会の精神的カタストロフ的なスポットではないかという気もした。

 夕食は倹約して帰宅してからにするというか、昨日炊いた白米が残っているから、「おかず」だけ何とかすればいい。どうも先日から「天ぷら」というものにハマってしまっていて、それもスーパー「I」の天ぷらがいい。自宅駅ひとつ前の柏駅で下車し、そのスーパーまで行って「天ぷらの盛り合わせ」の小っちゃいのを買う。もう買い物のピーク時は過ぎたのだろう、2割引きになっていてうれしい。これは年末のときの「書き入れ時」価格の半額以下になる。そしていろいろと応用の効く「ダイコン」も買う。
 わたしは今まで、ダイコンというものはまるで買うこともなかったのだけれども、とにかくは安いものだから、前にそうやって「天ぷら」に添えるダイコンおろしにするために買い、ダイコンおろしにして残ったのをおでんに入れてみたらすっごい美味だった。そういうことで、今、わたしは「ダイコン」にもハマっている(そのうちに、「ブリ大根」とかつくってみたい)。

 帰宅して、買って帰った「天ぷら」で夕食にして、先週見損ねた大河ドラマの「いだてん」を初めて観た。‥‥わたしには「大河ドラマ」などというものを観る習慣はまるでなく、「観たな〜」というのは、遥か昔の「春の波涛」(川上音二郎を描いたヤツ)ぐらいしか記憶がない。今回はいちおうね、宮藤官九郎ですし、音楽も大友良英だから「観てみようかな〜」とは思っている。
 ‥‥それでこの夜は「しっかりと」観た、というわけではないけれども、絵の色がいかにもデジタル映像っぽいし、ああいう、ドローンとか安易に使う映像は好きではないな〜、という感じ。そういうのでは、朝ドラの「カーネーション」とかの方が、映像の色調を「フィルム」っぽく抑えるとか、照明に工夫するとかやっていたように思う。そういうところが「残念かな」という一回目の視聴。
 それでもこの夜は、夕食を終えてすぐに「さ、寝ましょうか!」とベッドに直行しなかったのは良かったか。これからはもうちょっと「夜更かし」をしたい。

 それでけっきょくベッドでは読みさしの多和田葉子の本を読み進めるのだが、やはりニェネントがベッドに乗ってきて、「かまってよ!」とせがむ。ニェネントとの交流というのはやはりこの時間がいちばん「濃厚」なわけだし、ニェネントを胸の上にのせて遊ぶ。このごろは、わたしが右手先でニェネントの鼻先を「ちょん、ちょん」とちょっかいを出すと、そんなわたしの手の動きのスキをついて、ニェネントが「ガブッ!」とわたしの手や手首にかみついてくる。もちろんわたしはニェネントが本気を出してかみつけばどんな惨事になるか知っているから、これは充分に「甘噛み」であることはわかる。ニェネントの、わたしへの愛情表現だと解釈できる。それでも、ときどき「痛!」というときはある。だから仕返しで、わたしもニェネントの前足にかみつくわけだが、ニェネントは「シャ〜ッ!」とネコらしく反応し、それからはニェネントを胸の上から抱き上げてわたしの顔に近づけると、「もうやめてよね!」ってな感じで、右前足をわたしの口の上に乗せてくる。ニェネントには迷惑かもしれないが、こういう時間がいちばん好きだ。
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