ワニ狩り連絡帳2

前世のワニ狩りの楽しい思い出。ネコのニェネントとの暮らし。

2019-09-11(Wed)

 今日も晴天で、やはり気温は高い。相変わらず報道されないようだが、千葉、特に南房総地域の被害は相当のようで、しかもいまだに停電がつづいている。
 Facebookでわたしの友だちが、そんな館山にお住まいの方がアップされていた写真などをシェアされていた。わたしも、こういうのは多くの人の目に触れた方がいいと思い、その写真をコピーしてTwitterに載せた。すると驚いたことに、すぐにテレビ局から「今の状態を知りたいのでDMで連絡してください」とのコメントがついた。その写真を撮られた館山の方はまるでわたしの知らない方なのだけれども、「これは当人に知らせなければ」と思い、Facebookでその方にDMしてテレビ局で状態を知りたがっていることを知らせ、連絡先を聞いた。テレビ局の方には「わたしが直接知っている人ではない」ことを断って、その館山の方の連絡先を伝え、テレビ局の方の連絡先も聞いて館山の方に伝えた。やはりお聞きした電話は通話できなかったようで、いろいろと紆余曲折もあったのだけれども、けっきょく館山の方がわたしの伝えたテレビ局のメアドに連絡し、どうやら無事にコンタクトが取れたようだった。
 じっさいにテレビ局がそちらを取材して放送するかどうかはわからないけれども、この段階で報道機関と被災者とがコンタクトを取れたということは、「救援」という意味でも良かったのではないかと思う。意外と、Twitterがじっさいにひとつの動きに結びつくことができることを知ることが出来たし、そこに自分が協力できたということはうれしい(いちおう、テレビ局の方からも館山の方からも感謝されたし)。

 ニェネントの皮膚炎が良くならない。塗り薬をやり始めて一週間経つけれどもダメなので、「ニェネントくんを動物病院に連れて行かなくちゃいけないな」と思い、夕方からニェネントにペットキャリーに入ってもらってお出かけ。車があればあっという間に病院へ行けるのだが、15分ぐらいてくてくと歩かなければならない。わたしはいいのだけれどもニェネントのストレスのことを考えてしまう。ウチのそば、歩いて2~3分の所に別の動物病院もあるけれども、この動物病院はいちど行って「信頼できない」と思うことになったので行かない。

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 ニェネント連れて外に出たところで、ニャールとニェッタの姿を見た。台風で吹き飛ばされたりしていなくってよかった。まあネコは車の下とかに避難すればOKだろうし、このあたりには野良たちには格好の「避難所」もいろいろとある。ニェネントにはニャールとニェッタとの初顔合わせになるのだけれども、キャリーに入れられてひょっとしたらパニック状態のニェネントくんは、それどころではないようだ。ニャールとニェッタにしても、ニェネントのことには気づかなかったみたい。

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 もう夕方でそろそろ薄暮という時間なのだけれども、西の空が黒い雲に覆われていて、「これって、夕立でも来そうな天候ではないの?」というところ。どうか雨なんか降らないで欲しい。

 動物病院に到着し、しばらく順番を待って診察。今日は前回までの先生ではなく、女性の先生だった。キャリーから出されたニェネントくん、やはり先生には「シャ~!」と攻撃姿勢。ま、先生はちらっと見ただけで、「次はシャンプーをやりましょう」という診断。「馴れるようになるといいですね」と言われたが、ま、ニェネントくんがよその人間に馴れることは、一生ないことでありましょう。
 前回の塗り薬もなくなりそうなのでまた処方され、シャンプーと合わせて五千円近くになった。まあ仕方がない。

 外に出ると少し雨が降っていて、地面が濡れていた。「やはりそういうことになったか」と、すぐそばのコンビニで傘を買おうと思ったのだが、そのコンビニへ行くところで雨脚が強くなった。「これは傘よりもレインコートの方がよさそうだ」とレインコートを買う。家に帰れば先日「台風対策」で買ってまだ一度も使っていないレインコートがあるのだが、しょーがない。
 コンビニを出てすぐにレインコートをはおって歩き始めると、さらに雨が強くなってきて、しかも空を稲妻が走り、雷鳴が響くなどという展開になってしまった。最悪である。雷は2~3度鳴っただけでおさまったけれども、雨は降りつづく。
 ようやく家にたどり着き、すぐにニェネントをキャリーから出してあげる。見た感じではそこまでにストレスをためた様子でもなかったのでホッとする(わたしの方がストレスがたまった気がする)。
 

2019-09-10(Tue)

 台風はとっくに去って、わたしは今日からまた仕事に出るのだが、ネット(主にTwitter)でみると、わたしの住まいよりも東側、南側の千葉県の広い範囲で全体的に停電がつづいていて、報道はされていないけれども被害も相当のもののようだ。テレビのニュースはどこも安倍政権の新しい組閣のことばかりやっていて、台風の被害のことはほとんど報道されない。おかしなことだと思う。

 とにかくは朝、出勤のために外に出る。ウチのあたりはそこまでに風雨の影響のあとは見られないが、勤務先の駅で降りて外に出ると、歩道には風で飛ばされて来た木の葉や木の枝がかなりちらばっていた。
 思い返してみれば去年にも台風が関東を直撃したことがあり、そのときは偶然わたしは有給を取って休みだったので、「出勤できないぜ!」とか悩むことがなかったのだったけれども、翌日出勤してみると、勤め先の敷地内にどこかの建物の外装らしい金属のシャッターみたいなものが飛んできていたものだった。今回はそんなすごいものが飛んで来ていたりということもなかったのだが、駅から勤め先まで歩いていて、「今日はスズメの姿が見られないなあ」とは思っていた。

 台風が過ぎ去って、そのあとに南の暖かい風を運び込んできたのか、昼間はピーカン照りのものすごく暑い日になった。仕事を終えてさっさと帰宅し、エアコンを稼働させて部屋にこもった。
 ネットを閲覧していると、テレビでは決して報道しないような千葉県の惨状も目に入ってくる。特に南部の方はたいへんなことになっているみたいだ。しかしテレビのニュースではそういう報道はほとんど見られない。
 ネットを見ていると、首都圏周辺でかなりの数でスズメが死んでいるのが見られるという書き込みも。何十羽も路上に死体で転がっている写真も。今朝わたしがスズメの姿を見なかったというのも、そういうことなのかもしれないと思った。またスズメたちの元気な姿を見たいものだ。
 

『白衣の女』ウィルキー・コリンズ:作 中島賢二:訳

 1859年から雑誌に連載され、1860年に出版され大ベストセラーとなったという「推理小説の元祖」とも呼ばれる長編推理ミステリー。作者のウィルキー・コリンズは若い頃にはラファエル前派の画家らとの親交もあり、後にチャールズ・ディケンズと知り合うと大親友になってしまったということ。この『白衣の女』を連載した雑誌も、ディケンズの発行する雑誌だったという。
 とにかくこの『白衣の女』は売れに売れて、社会現象にまでなったというのだが、これは今の時代に読んでもたしかに面白い。背景のヴィクトリア朝時代イギリスの世相も適度に雰囲気を出しているのだが、とにかくそこまで多くもない登場人物のからめ方がいい感じだし、適度に大風呂敷を拡げそうなそうでもないような、という寸止めの展開も気持ちいい。まあどこまでも理詰めの展開は情緒に欠けるといえばそうでもあり、いわゆる「純文学」という風格ではないかもしれないが、とにかくは面白いのだ。つまり、「芥川賞」は取れないだろうが、「直木賞」は絶対取れる、みたいな(わたしはこの作家の『月長石』を高校生ぐらいの頃に読んでいるはずだけれども、当然ながら今では何も記憶していない)。

 この小説はいろいろな人物の手記、日記、手紙、そして供述から成り立っているのだけれども(その語り手それぞれの個性に合わせた文体の変化が楽しい!)、物語を展開させる主な登場人物は5人。冒頭とラストの手記を書くウォルター・ハートライトという絵画教師、そしてウォルターが愛してしまうローラ・フェアリー嬢(美人!)。彼女は屋敷の財産の相続人でもあるのだが、そんなローラの従姉でローラの精神的支え、ウォルターにも頼りにされるのがマリアン・ハルカム嬢(「美人とはいえない」ということだ)。小説の中盤は彼女の日記で成り立っている。そしてローラの婚約者である(小説半ばで結婚してしまうが)パーシヴァル卿、そしてローラの叔母の夫であるところのイタリア人、フォスコ伯爵。ここまでで5人だがまあもう一人、精神病院から逃げ出して途中でウォルターと出会い、謎の伝言を残していく「白衣の女」であるところのアン・キャセリックという女性(彼女はローラ嬢に瓜二つなのでもあるが)も登場するが、彼女の出番はきわめて少ない。
 要するにパーシヴァル卿というのはローラの財産目当ての悪党なわけで、内容を知らせずにローラに書類への署名をさせようとしたりするし、いろいろと隠しごともあるようだ。そこにフォスコ伯爵というのが彼の周辺でうろちょろしているのだが、パーシヴァル卿の腹心のようでもあるがローラが署名するのをやめさせたり、病気で倒れたマリアンの治療に献身したりするし、どうも正体不明である。
 ウォルターはと言えば、早い段階でローラへの恋心をマリアンに見抜かれ「ローラには婚約者がいるからあなたは身を引きなさい」と言われて、中米への探検隊に加わって冒険の旅。九死に一生を経て帰国してみたらマリアンから「あなた、大変よ」みたいな連絡をもらうのである。ローラはローラで実はウォルターが好きになっていて、マリアンはウォルターを追い出した(?)あとにそのことを知るわけで、そのときはマリアンだけがウォルターとローラは相思相愛だということを知っているわけなんだけれども、読んでいると「おまえ、何とかしてやれよ~」とは思うのだけれども「ま、しょうがないわね」みたいな感じで冷淡。まあ先に婚約者はいるし、ウォルターの身分も低いからしょうがないとはいえ、もうちょっと早いうちに、マリアンの中に「何とかしてやりたい」という葛藤を読み取りたかったかな(ローラがパーシヴァル卿と結婚したあとになって「ああ、ウォルター!ローラといっしょになるべきはやっぱりあんたよ!」となるのだが、それはちょっと遅い!)。
 まあだいたい、ローラ嬢と「白衣の女」であるアン・キャセリックがクリソツだというあたりにも「謎」がありそうだけれども、そのあたりの解明はありきたり(ただストーリーの展開上、二人はクリソツでなければならなかったのだ)。
 しかしやはり、少しずつ「謎」が解明されて行く中盤の展開は読み手を引きずる面白さがあるし、下巻での急展開にはびっくりして、「ど、ど、ど、どうなるんだ!」と先を急いで読みたくなってしまう。

 読み終えたところで、「こういうのって、ひと昔前のテレビのミステリーっぽい昼ドラにぴったりの内容ではないか」と思ったら、Wikipediaをみるとじっさいに8年前に昼ドラでやられていたらしい。
 これだけの長編を2時間ぐらいの映画の枠に収めるというのは至難の業だろうということは想像がつき、サイレント映画の時代に何度か映画化されたあとは、1948年にギグ・ヤングとかの主演で映画化されたあとは絶えて映画化されてはいない(1982年にロシアで映画化されているようだが)。ただ、BBCが2回ほどテレビのミニシリーズとして映像化しているし、これはまるで知らなかったのだが、あのアンドルー・ロイド・ウェバーによってミュージカル化(!)され、これは日本でも上演されていたのだった。しかし、いったいどうやったらこの話がミュージカルに変換され得るのだろう? 面妖である。
 

2019-09-09(Mon)

 台風来襲の夜である。夜中は雨戸を叩く風の音が聞こえたように思ったが、そこまでに強い風雨の音も聞こえずにすっかり安眠していた。いちどアラームで4時に目覚めたが、「今朝はまだ寝ていていいのだ」と、アラームを6時にセットしてもう一度寝た。

 6時に起きてテレビをつけ、ニュースをみる。台風は茨城県の真ん中あたりを北東に進んでいる。交通情報をみると、常磐線はまさに台風の真下を走っていることもあるのだろう、いつ電車が動き出すかわからないようだ。
 雨戸を開けてみるが、普通に雨は降っているが風が強いというわけでもない。もう峠は過ぎたというところだろう。ネットで検索してみると、常磐線の運行は10時以降になるようなことが書かれていた。そんな時間から出勤しても、勤め先に到着するのはほとんど昼になってしまう。それでも「出勤してくれ」と言われれば出勤するしかないが、会社に連絡してみるとさすがに「今日は休んで下さい」ということになった。「休日」だ。これで、来週、再来週と、3週つづけて土日月の3連休になるのだ。けっこうなことである。

 午後にはすっかり風雨も収まったようで、晴天から照りつける陽の光は暑そうだ。特に外に出る用事もないので一日部屋に引きこもり、『白衣の女』を全部読み終えた。
 さて、明日からは何を読もうか?
 今はずっと、電車の中とかでは大きな単行本を読み、ちょっとした休憩時間などに文庫本を読んでいる。とりあえず単行本は読みさしのカフカの『アメリカ』をまた読み始めるが、文庫本は何にしようか?
 

2019-09-08(Sun)

 今ごろ書くのも呑気なのだが、なんと、かなり強力な台風がこのあたりを直撃するという天気予報だ。明日の朝、わたしが出勤するために家を出るぐらいの時間にちょうど、台風が我が家の真上を通るみたいな<進路予想>が出ている。「これは大変だ」と思う。
 夜にはもう、このあたりの風も強くなって雨も降り始めそうなので、早いうちに買い物をすませておこうと午前中に買い物に出る。今日はニェネントのネコ缶を買うのでちょっと大変な買い物の日。

 部屋を出たところで、ウチのドアの前を小さなヤモリがちょろちょろとしていた。最近キッチンの窓のところに出没するヤモリよりずいぶんと小さいので、あのヤモリの子どもなのかもしれないとか考える。元気に大きく育ってほしいものだと思った。

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 空は青く晴れていて風もほとんどなく、台風が近づいているとは思えない天候。てくてくと歩いて我孫子の駅を越え、いつもネコ缶を買うドラッグストアに寄る前に、目の前の手賀沼に行ってみた。
 この日は、2羽のハクチョウが岸辺で身づくろいをしているのをみることが出来た。「写真を撮ろう」とカメラを構えたけれども、コレがなかなか首を伸ばしてハクチョウらしい姿をとってくれないので、時間がかかったね。

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 ネコ缶を買い、我孫子駅をまた越えてスーパーの「I」に寄り、毎週日曜日のように5本房になっているバナナを選んで買い(5本の房を選ぶのは、月曜日から金曜日の5日間分なのだ)、多少パンなども買って帰る。帰り道に、「明日台風の雨風の中を駅まで行かなくってはならなくなったとしたら、傘なんか使えないではないか」と思い、コンビニに立ち寄って安いレインコートを買った。

 帰宅して、『白衣の女』の下巻を読む。「えええええ~っ!」という展開で、「これはいったいどういうことになるのだろう」と、ページをめくる指の動きも早くなる。

 夕方からテレビをみていると、明日の朝、首都圏のJRは8時までの電車をストップさせると報道していた。「わたしが利用しているのは<千代田線>だから大丈夫か?」と思ったが、それは違う。<千代田線>は綾瀬駅までで、それよりも北側はJRの<常磐線>の各駅停車、ということなのだ。それではつまり定時に出勤できないということなので、会社の人に連絡を取った。「遅れていいから、電車が動き出したら出勤してくれ」とのことだ。むむむ、関東地方でどれだけの人が、上司からこういう指示を受けていることだろうか。
 ま、いつもは4時に起きるのだが、明日は少なくとも6時までは寝ていられることだろう。ニュースでは「今度の台風はすっごいぜ!」みたいに言いつづけているので、「そういえばこの部屋には<雨戸>がついていたな」と思い起こし、早いうちに雨戸のセッティングをした。思い起こせば、この人生で自分の住まいで<雨戸>のセッティングをするなどということは、まったく初めてのことだと思う。さて、明日はどういうことになってしまうのだろうか。
 

『清掃する女』七里圭:演出 @早稲田・早稲田小劇場どらま館

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       (ちょっとボケボケの写真ですが)

 七里圭氏は本来映画監督で、crosstalkにも出品してくれていた清水真理さんの人形作品をフィーチャーした『眠り姫』をずいぶん以前に観たはずなのだけれども、この映画のことはまるで記憶に残っていない(印象が薄かったということではなく、わたしの<記憶障害>のため)。そのあと、去年だったか、今回の舞台に出演されている安藤さんと黒田さんもやはり出演されていた『あなたはわたしじゃない』という映画を観て、けっこう気に入った記憶がある。

 今回の舞台は、設定こそ異なるけれども、どこかその『あなたはわたしじゃない』の舞台版というところがあり、舞台を蚊帳のように囲った「紗」に映像を投影しての<二重映像>ともいえる視覚効果、その映像に登場する「馬」など、『あなたはわたしじゃない』と共通するといえる。
 ただ演出としては「能」の舞台を意識されているというか、歌い手としてさとうじゅんこという方も加わって、静謐なようでエモーショナルな舞台が創造されていた。いろいろと思うところのあった舞台だけれども、とりあえずこのあたりで。
 

2019-09-07(Sat)

 ニェネントの下あごの皮膚病、薬を塗り始めて5日になるけれども、あまり快方に向かっているようでもない。動物クリニックの先生からは「5日から一週間やってみて、良くならなければ連れて来て下さい」みたいなことだったので、このままだと連れて行かなくっちゃならない感じ。

 今夜もまた観劇で、今夜は早稲田で安藤朋子さんと黒田育世さんの出演する『清掃する女』という舞台。
 早稲田へ出る時間はしっかり計算できるので、充分余裕をもって早稲田駅に到着し、食事をしてから会場へ行くことが出来た。

 普通の演劇とはかなり異なったテイストの舞台を楽しみ、終演後にちょこっと安藤さんにあいさつをしてから帰路に。今夜も帰宅時間は11時ぐらいになってしまった。

 電車の中で、このところ読んでいたウィルキー・コリンズの『白衣の女』の中巻を読み終えて、「これはたいへんだ」という展開になってしまったので、早く下巻も読み終えたいものだと気もちがあせるのだった。